すっきりとコンパクトなボディの複合機は、天面にだけHPのノートPCでよく採用されているようなパターンがプリントされている。付属の小さなカラー液晶画面で操作すれば、PCなしでもコピーができ、メモリカードからのフォトプリントも可能だ。ここまでは複合機として一般的な仕様だが、このモデルはプリンタ単体でインターネットに接続するという大きな特徴を持っている。

海外での発表後、一部では知られていた「メールアドレスを持つプリンタ」が、「HP Photosmart Wireless B110a」だ。プリンタのメールアドレスにメールを送ると、その内容を印刷することができる。本文だけでなく、添付ファイルの印刷もできるため、携帯電話やスマートフォンから写真を送ってプリントする、というようなことも可能だ。

こうした機能は、インターネット接続の新プラットフォーム「HP ePrint」で実現されるものだ。機能は大きく分けて「メールdeプリント」と「アプリdeプリント」の2つがある。「メールdeプリント」が、メール本文および添付ファイルのプリントを実現するもので、「アプリdeプリント」は本体搭載の液晶パネルで専用アプリケーションを操作し、コンテンツをダウンロードしてプリントするものだ。今後は日本HPの全プリンタにこの機能が搭載される予定だが、1号機が発売されたばかりの現時点では「アプリdeプリント」は今後順次整備されていくこともあり、ユーザーが重宝しそうなのは「メールdeプリント」の方だ。

2.4インチカラー液晶を搭載。カードリーダを使って直接プリントすることもできる

見た目は普通の複合機で、ネットワークには無線LANで接続する。メールアドレスはHPから発行され、HPのクラウド上にあるオンラインハブ「HP ePrintCenter」を経由してプリントされる仕組みだ。そのため、送信端末側にはプリンタドライバをインストールする必要がない。

電源とインタフェースは背面に用意されている

特定メールアドレスにメールを送るとブログに書き込めたり、Twitterでつぶやけたり、写真を公開できたりするサービスが数多くあるが、利用する感覚は似ている。当然、そのメールアドレスが流出してしまうと他人が送信したメールもプリントされてしまうのだが、そのあたりはスパムフィルタや特定アドレスからの送信のみ受け付けるモードなどが用意されており、対策済みだ。どうしてもうまく運用できないという場合には、メールアドレスを変更することも簡単にできる。

本体をすっぽり包むバッグとケーブルが入ったポーチが付属。いずれも不織布製

トップカバーには薄くパターンがプリントされている