店頭販売モデルのCPUはクロック周波数1.6GHzのAtomということで、操作感で少しもたつく印象があった。しかし今回の試用機はVAIOオーナーメードモデルで選択できるクロック周波数2.13GHzのものを搭載しており、かなりキビキビとした動作が印象的だ。チップセットについてもIntel(R) System Controller Hub US15X Chipsetが採用され、動作速度向上に一役買っている。

画面解像度は高精細液晶を搭載していることもあり、1,600×768ドットの表示が可能で、このサイズのノートPCではトップクラスの高解像度だ。ただ、解像度が高いが故に見づらい場合もある。例えばWebサイトの閲覧時に文字が見えにくいと感じた場合、キーボード下部にある解像度切り替えボタンを利用することで、瞬時に1,280,×600ドットに解像度変更ができるため、見えづらくて操作に支障が出るのではないかといった心配は無用。

同じくキーボード下部に配置されている、Internet Explororを起動するWebボタンは、電源オフ時に押すとWindowsを起動しなくてもインターネットを楽しめる「Quick Web Access」が起動する。起動時間は非常に早く、ボタンを押してからオペレーション可能になるまでの時間は約20秒弱だ。

ベンチマーク以上に「使える」印象が強い製品

実際の動作速度を検証するべく、「PCMark05」「3DMark06」「Vana'diel Bench 3」の定番3ソフトによるベンチマークテストに加え、「CrystalDiskMark」を使用し、SSDのベンチマークも行なった。

数値結果だけを見ると性能が低いように思うかもしれないが、それほど体感的に遅いと感じることはない。また店頭販売モデルと比べるとかなり高い数値となっている。比較しやすいよう以下に、前にレビューした店頭モデル(VPCP119KJ)のベンチマーク結果と合わせて掲載した。3DMark06の結果を見ると2倍近い性能アップのように見えるが、体感的には「多少向上しているかも」と思える程度。

■PCMark05
PCMark CPU Score Memory Score Graphics Score HDD Score
ブラッククロコダイル 1363 N/A N/A N/A N/A
店頭モデル 1025 N/A N/A N/A N/A
■3DMark06
3DMark SM2.0 Score HDR/SM3.0 Score CPU Score
ブラッククロコダイル 82 37 19 555
店頭モデル 44 30 N/A 461
■Vana'diel Bench 3
High Low
ブラッククロコダイル 472 849
店頭モデル 428 739
■CrystalDiskMark(MB/s)
ブラッククロコダイル 店頭モデル
Sequential Read 83.036 61.954
Sequential Write 46.569 38.452
Random Read 512KB 78.174 61.985
Random Write 512KB 41.889 3.169
Random Read 4KB 7.686 6.127
Random Write 4KB 16.856 1.230

「Vana'diel Bench 3」のLOWモードをループ再生するバッテリテストでは、ワイヤレスをオンの状態で2時間15分動作し続けた。これはバッテリ体積やCPUクロックなどを考えると、かなりのバッテリライフではないだろうか。さらにSSDのベンチマークについても良好な結果となった。店頭販売モデルと比較すると全体的にパフォーマンスアップされていることからもわかるように、実際に使用している際にも軽快感を感じられた。Webの閲覧や、メールの送受信、ちょっとしたプレゼンテーション資料を作るといった日常的な作業であれば、このパフォーマンスで十分満足できるはずだ。