3D格闘らしいゲームシステムの採用

2D格闘で始まった「サムスピ」シリーズだが、今作の『サムスピ閃』は、いわゆる3D格闘アクションゲームになっている。タイトーのPCベースのアーケードシステム「Type X2」向けに提供された同名オリジナル作品のXbox 360移植作品で、2008年にアーケードでも稼動していたが、あまり稼働台数は多くなかったので、もしかすると「Xbox 360版で初対面」というユーザーも多いかもしれない。

アーケードでは8方向ジョイスティックと、4つのボタンに操作が割り当てられていたが、Xbox 360版では純正ジョイパッドでもプレイ出来るように操作がアレンジされている。

アーケード版の操作(参考)

純正パッドの[A][B][X][Y]の4つボタンは、アーケード同様に[横斬り][縦斬り][蹴り][特殊動作」の4ボタンに割り当てられているが、アーケードでの複数ボタン同時押し操作は純正パッド上のほかのボタンに割り当てられている。アーケード同様の同時押しも有効だが、これは純正パッドでの遊びやすさへの配慮だろう。例えばガード不能攻撃は、アーケードでは4ボタン全押しの操作となるが、純正パッドでは[LB]ボタンを押すだけでOKだ。

なお、筆者は、最近入手性が良くなったホリ製のアーケードタイプのジョイスティック「ファイティングスティックEX2」を使用して本作をプレイした。「オプション」画面では、アーケードと同じボタン配置にすることができるだけでなく、アーケードスティックの余ったボタンに、同時押し操作のショートカットを埋め込むことができるので、ジョイスティック派のユーザーもゲーセン以上の操作性でプレイすることが可能。前出の4ボタン同時押しのガード不能攻撃は、ぜひとも押しやすいところにショートカットを埋め込みたいところだ。

2Dサムスピで魅せてくれた必殺技の数々が3D化!!

今作は、「3D」ということで、2D時代のサムスピとはだいぶゲーム性が変わっている。サムスピの世界観を用いた完全新作……という心構えくらいが丁度良いと思う。

2Dサムスピでは敵との間合い調整を前後移動だけで行っていたが、今作では3Dの特性を活かした軸移動という動きが加わっている。やり方はレバー下チョイ入れで手前移動、レバーチョイ上入れで奥移動となる。「しゃがみ」と「ジャンプ」のアクションと一部操作が被るので慣れるまではなかなかに難しい。しゃがみやジャンプはレバー入れっぱなしだが、軸移動は「チョイ入れ」だ。この操作の違いを早期に修得することが『サムスピ閃』上達への鍵となる。

この軸移動は、各種斬り攻撃とユニークな強弱関係が設定されており、これを理解して、敵の次の一手を読み合っていくことこそが『サムスピ閃』の面白さとなっている。とは言っても複雑なものではない。至ってシンプルな強弱関係だ。

  • 縦斬り攻撃はしゃがみガードが出来ないが軸移動でかわせる
  • 横斬り攻撃はしゃがんで受け流せるが、軸移動では喰らってしまう

また、「サムスピ」シリーズで印象的な攻撃力絶大の大斬り攻撃は今作にもあり! しかも横斬りと縦斬りの両方に大斬り攻撃が設定されていて、威力は大縦斬りが強く、攻撃スピードは大横斬りの方が優っているという特徴が与えられている。

威力に優る「縦大斬り」

速度に優る「横大斬り」

2Dサムスピになかった新要素としては、少し前にも触れたガード不能攻撃がある。これは大攻撃よりもさらに上の超強力な攻撃で、相手は文字通りガードができない。ただし、攻撃が発生するまで比較的長い"溜め"モーションがあるため、むやみやたらに狙うと反撃を喰らいやすいリスクがある。攻撃の流れの中で相手にガードを強要させているときや、起き上がりに重ねる……といった使い方が有効で、この取り扱いの難しい新攻撃手段の有効法を考えるのも、『サムスピ閃』ならではの楽しさ……ということになるだろう。

(次ページへ続く)