夕方になったので東藻琴から東へ約80キロ、宿泊先ウトロの「知床グランドホテル北こぶし」へ向かった。知床グランドホテル北こぶしはウトロでただひとつ海辺に建っているホテル。地上8階、地下1階の立派なもので、本館は平成19年にリニューアルされピカピカに新しい。陽子さんによれば、最上階の展望台浴場から、港を眺望しながらくつろげるのがいいのだという。2月から4月頃まで、この港が一面流氷で埋め尽くされるさまは壮観だそうだ。一日走ってさすがに疲れたので、夕食のバイキングを簡単に済ませて、ゆっくり湯につかることにした。
最上階の8階に上がると天然温泉の石風呂のほか、紫色をしたラベンダーの香風呂、サウナ、冷水の水風呂があり、さらに中の階段を上がった屋上には岩風呂風にしつらえた露天風呂がある。ここからの景色は素晴らしい。
お湯はナトリウム・塩化物・炭酸水素塩泉。色は透明で軽い塩素臭がするもので、つかっているうちにじわーっと温まってくる。強い臭いなどを求める温泉マニアにはややモノ足らないかもしれないが、旅の疲れを癒すにはちょうどよい。入浴後疲れた私たちはすぐに爆睡してしまったが、陽子さんはひとりスナックでカラオケを楽しんでいたらしい。……肉厚で脂ののった知床ホッケにイクラ! 海鮮三昧の羅臼へ