CPUスペックはさすがのTシリーズ、省電力機能も最新版を搭載

ThinkPad T400sのレビューの最後は、T400sがスリムさを追求しつつもかなりパフォーマンス/ワットの高い製品であることに注目したい。そこで以下の表を用意した。

製品名 T400s T400 T400 X301
CPU SP9400 P9600(参考:SLB46) P8400(参考:SLB3Q) SU9400
クロック 2.40GHz 2.53GHz 2.26GHz 1.40GHz
FSB 1066MHz 1066MHz 1066MHz 800MHz
L2キャッシュ 6MB 6MB 3MB 3MB
TDP 25W 35W 25W 10W
コア電圧 1.050V-1,150V 1.050V-1.162V 1.00V-1.250V 1.050V-1.150V
パッケージ Micro-FCBGA Micro-FCPGA Micro-FCPGA Micro-FCBGA

まずThinkPad T400sとT400とでCPUスペックを比較してみよう。どちらも同じモバイル向けCore 2 Duoを搭載しているが、ThinkPad T400はT9000シリーズまたはP8000シリーズ、ThinkPad T400sはSP9400を採用している。そこでクロックとTDPに注目してみたい。ThinkPad T400で採用されている最上位CPUのCore 2 Duo T9400(2.53GHz)は35Wであるのに対し、ThinkPad T400sで採用されているSP9400(2.40GHz)は25Wで、クロックがほとんど変わらないにも関わらず10Wほど低消費電力なプロセッサである。

ThinkPad T400sは2.40GHz駆動でTDP 25Wに抑えられたCore 2 Duo SP9400を搭載。このCPUはL2キャッシュも6MBとフルサイズを搭載している

また、T9400とSP9400ではCPUのパッケージングでも異なる。T9400はMicro-FCPGAというパッケージであるのに対し、SP9400はMicro-FCBGAである。Micro-FCBGAパッケージは、Micro-FCPGAパッケージよりも薄く、フットプリントも小さい点が特徴だ。薄さを求めたThinkPad T400sが薄型パッケージを選んだのは当然の成り行きだろう。

さて、スリムノート同士ThinkPad X301とも比較してみると、パフォーマンス面で大きな違いがある点に気づく。ThinkPad X301はTDPが10WというT400sよりもさらに15Wほど低TDPなCPUを採用しているが、一方でパフォーマンスに関しては抑えられたCPUでもある。クロックでは1GHzほど開きがあり、L2キャッシュでは1/2である。CPUに関してはこのような図式であるが、システム全体の消費電力をスペック表で比較していくと、ThinkPad X300ユーザーとしては気になる点が出てくる。

製品名 T400s T400 T400 X301
システム 281522J 6474P1J 742013J 2774P2J
最大消費電力 65W 65W 65W 65W
アイドル時消費電力 8.84W 12.25W 12.25W 13.49W
低電力モード消費電力 1.14W 1.53W 1.57W 1.48W

それはアイドル時消費電力と省電力モード時消費電力の値だ。ThinkPad X301とT400sをスペック表で比較して気づいたのだが、レノボの公式スペックによれば、省電力モード時消費電力でThinkPad T400sが1.14Wに対しX301が1.48W、アイドル時消費電力でThinkPad T400sが8.84Wに対しX301が13.49Wと、ThinkPad T400sの方がそれぞれ低消費電力である。ThinkPad T400sの発表時、各種の消費電力低減のための技術が導入されていると紹介があったとおり、T400sの方がより高性能なプロセッサを搭載しつつより低消費電力であるようだ。