グラフィックスカードは、これまたワークステーションらしくNVIDIAのQuadroシリーズを搭載。下位モデルはQuadro FX580、上位モデルはQuadro FX1800が採用される。テスト機にはQuadro FX1800が搭載されるが、これはG92ベースのコアを用いたStreaming Processorを64基備える仕様となる。ただし、GeForceシリーズでこのスペックの製品だとグラフィックスメモリメモリはせいぜい512MBといったところだが、本製品は768MBのグラフィックスメモリを搭載。グラフィックスメモリの容量はCUDAでの利用も想定してのことだろう。
ちなみに、Quadroという製品は、基本的にGeForceとハードウェアは同じでドライバのみが異なる、ということも言われるが、これは半分は正解で半分は誤解だ。確かにGPUという観点でいえば、G92コアをベースとしたGeForceと同じアーキテクチャが使われている。
ただし、グラフィックスカード製品としては、GeForceはNVIDIAから設計ガイドを受け取ったグラフィックスカードベンダーが製造するため、同じGeForce製品でもメーカーやモデルによってどうしても品質が異なってくる。それに対しQuadroは、NVIDIAの責任で製造し、品質管理を行ったうえで出荷される。つまりハードウェアの品質としても一定のレベルが保証されているという大きな違いがあるのだ。ハードウェアのしての可用性はもちろん、出力される結果の信頼性も求められるような業務用途において、Quadroが持つ高い品質は重要なポイントといえるだろう。
電源は、とくにワークステーション向けのモデルではないが、信頼性の高さで人気のあるAcBel製品を採用している。コストと信頼性のバランスを取った妥当な選択といえるだろう。
このほか、アプリケーションとしては、レノボ製品でおなじみの「Lenovo System Toolbox」がバンドルされている。このツールでは、システムのセキュリティ上の問題点をピックアップしたり、各種ハードウェアの動作テストを行うことができる。
レノボ製品でおなじみのLenovo System Toolboxがバンドルされている。信頼性の維持に必須の機能を備える |
Lenovo System Toolboxでは、セキュリティ関連を中心にシステムの問題点を洗い出し、リストアップしてくれる |
Lenovo System Toolboxにはハードウェア診断ツールも備える。非常に細かなチェックが可能だ |
定期的に実施すべきクイックテスト、全テストを実施する詳細なテスト、といったスクリプトが用意されており、自動的に全体的なテストを行える |
この動作テストはCPUのSSEやSSE2といった拡張命令固有の動作テストからAVIファイルの再生、ネットワークのテストなど、非常に多岐にわたるテストを実施することができる。とにかくシステムの安定性が求められる製品だけに、こうしたツールがあらかじめ用意されているのは好ましい。