冷却面でも、本製品はCPUクーラーのファンと背面の二つを装備。前面側にファンは備えていないが、全体にメッシュ加工されたパネルになっているので通気性が良い。この通気性に加え、二つのファンをPWM制御により回転数をダイナミックに変えることで、静音性と冷却性能のバランスを取っている格好になっている。

ファンはCPUクーラーと背面にそれぞれ備わっている。いずれも耐久性の高いボールベアリングを用いたもの

さらに、CPUクーラーのファンはボール、背面ファンは1スリーブ&1ボールと、いずれも軸受けにボールタイプを採用している点も見逃せない。低価格PCなどではコストを抑えるためにスリーブベアリングのファンも用いられたりもし、実際、静音性ではスリーブのほうが有利なこともある。

しかし、ボールベアリングは低回転時でも回転が安定する傾向にあるので、本製品のように回転制御をきっちり行うような製品にとって好ましい。また、一般にボールベアリングは耐久性が高いうえに、ベアリングの劣化が分かりやすいというメリットがある。ベアリングに使われているボールの潤滑油が減ると、明確に音が変化したり、ファンの回転が止まったりするのである。これは、中途半端に動作している状態を放置することなく、メンテナンスを行う必要があるタイミングを把握しやすいということも、ワークステーションように信頼性が求められる製品では意味があることだ。