レノボ・ジャパンが発売した「ThinkStation S20」は、Nehalemアーキテクチャの新Xeonを搭載するワークステーションだ。新型CPUをいち早く採用しただけでなく、業務用途に向けたワークステーションの魅力が詰まった製品になっている。
主な仕様 [CPU] Intel Xeon E5530(2.40GHz) [チップセット] Intel X58 Express [ディスプレイ] なし [グラフィックス] NVIDIA Quadro FX1800 [メモリ] 2GB [HDD] 250GB [OS] Windows Vista Business SP1
ワークステーションらしい堅牢なボディ
パーソナルコンピュータ(PC)の性能底上げにより、ワークステーションとの差が小さくなったと言われて久しい。実際、性能面ではワークステーションに匹敵するようなPC製品も少なくない。企業でも安価なPC製品をワークステーション代わりに導入しているところもあるだろう。しかし、ワークステーションという製品ジャンルはいまだに存在する。そこに当然、価値があるからだ。
レノボ・ジャパンが発売したThinkStation S20も、そうしたワークステーション製品である。箱から取り出してまず感じるのは、その重厚な作りだ。最近では珍しいスチールを使ったケースはずっしりと重い。また側面カバーには鍵も取り付けられている。こうした作りは、ケース内に取り付けられたHDDなどの盗難防止に効果がある。重要データを扱う業務用途としては当然なされるべき配慮だ。
この、鍵を付けて堅牢性を高めている側面カバーは、一方でノッチ一つで簡単に開くようにもなっており、メンテナンス性も大事にされていることが分かる。また、一見して分かる取っ手は大きく持ち運びに便利だが、取り外しも可能だ。必要なときだけ取り付けて持ち運びしやすいようになっているのだ。
この持ち運びという点に関しては、ケース内も細かいところで非常に気を遣った作りになっている。例えば、拡張カードの脱落防止カバーもその一つだ。一般的なPCの拡張カードは、ブラケット部をネジ留めするだけの、いわば片留めの状態だ。もちろん、これでも拡張カードは簡単に脱落したりはしないが、製品購入直後や組織のレイアウト変更などの運搬時に接触が悪くなってトラブルになることはある。
シリアルATAケーブルにも似たような配慮は施されている。ケーブルのコネクタ部に金属のロックを備えたものを使用しているのだ。シリアルATAコネクタも、PCではわりと外れやすい部分だ。そのためにこうしたロック機構が仕様として盛り込まれているが、実際にこうしたケーブルはコスト高になるため、メーカー製品でも一部にしか採用されていない。
いずれもコストの面では不利だが、万が一のトラブルを防ぐために盛り込まれたものだ。何より、信頼性を大事にするという、ワークステーションらしい配慮といえる。