この機会にバイオハザードの世界感にどっぷり浸りたいユーザーは、『1』~『4』をやり直すだけでなく、以下の作品も是非プレイしてもらいたい。まず、Wiiでもプレイできるようになった『バイオハザード0』。もともとゲームキューブ向け作品だったこの作品は、『1』、つまり初代『バイオハザード』で描かれた洋館事件の発端までが描かれるバイオハザード・サーガの序章的な作品。世界観は『1』に近く、グラフィックスのタッチもリメイク版のWii版(ゲームキューブ版)『バイオハザード』に近い。主人公は『1』にも登場したレベッカ・チェンバース、そして無実の罪人ビリー・コーエンだ。
続いてオススメしたいのが『バイオハザード CODE:Veronica(コードベロニカ)』。『2』『3』の後のバイオハザード世界を描いており、マニアの間では『2.5』(ないしは『3.5』)のナンバリングが適当と語り継がれている名作だ。アンブレラの狂気の組織構造が明らかにされる作品で、主人公はお馴染みのクリス、クレアのレッドフィールド兄妹。これにアンブレラの監獄島に捕らわれていたスティーブ・バーンサイドが新主人公として加わる。本シリーズでは珍しいロマンス的な物語要素もあり、人間ドラマが特に秀逸だと評価されている。元々はドリームキャスト向けだった作品だが、のちにPS2版とゲームキューブ版が発売されているので現行ハードでもプレイが可能だ。今作『5』はもちろん、バイオハザード・サーガ全体でも重要な役割を果たす悪役アルバート・ウェスカーが、悪意と狂気に染まっていく発端となっているのが、この『ベロニカ』からであり、ファンなら絶対に避けては通れない作品だ。
『4』でふんわりと語られているアンブレラ崩壊の謎とウェスカーの暗躍を知りたいならば、『バイオハザード・アンブレラ・クロニクルズ』も外せないだろう。Wii専用のガンシューティングゲームで、歴代「バイオハザード」シリーズの名場面をなぞるのがメイン。いかにも外伝チックな作品だが、ウェスカー自身でプレイするシナリオに関しては、ほぼ新作の物語であり、『5』におけるウェスカーの行動原理を理解するためには、プレイが必須の作品だ。
ほかにも、ゲームではないが、昨年公開されたばかりのフルCG映画『バイオハザード・ディジェネレーション』をチェックしておきたい。そして、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の実写版とは無関係で、正当なゲーム版の世界観を映画化したものである点を強調しておきたい。主人公はゲームから飛び出してきたそのまんまの造形のレオン・S・ケネディとクレア・レッドフィールド。ゲーム至上主義の人も安心の映像作品となっている。
プレイ(視聴)する順番は諸説あるが、「0→1→2→コードベロニカ→3→アンブレラ・クロニクルズ→4→ディジェネレーション→5」となるだろうか。『2』と『3』はほぼ同時間軸なので『2』→『3』と続けても良いとは思うが、『2』と『コードベロニカ』ではクレアが両作の主人公を務めるので、『2』→『コードベロニカ』とプレイしたほうが没入感は優るかも。
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