冷却能力の高いThermaltake製ケースを採用
さて、今回の構成ではThermaltake製のケース「VK60001W2Z ElementS」が使われている。外観は黒いボディに赤い縁取りを施したフロントカバーを備えるシックな雰囲気だが、内容は非常に機能的だ。
ケース側面より内部をチェック。詳しくは後述するが、一目で拡張性の高さが目に留まる |
フロントカバーの内部は全面メッシュ張り。上部3段が5インチのエクスターナルベイとなっている。光学ドライブは標準構成でパイオニアのDVDスーパーマルチドライブを搭載する |
その良さは、まず冷却面に表れている。電源を下方に搭載し、PC主要部から独立したエアフローを確保。ファンの搭載数も多く、前面に120mm角×1、背面に140mm角×1、トップとサイドには230mm角という超大口径ファンを備える。さらに前面には120mm角ファンを1基追加する余地があるほか、GPU冷却用に60mm角ファンを2基まで装着できるスペースが背面に用意されている。
背面。140mm角のファンを備えるほか、その直下にGPU冷却用の60mm角ファンを2基取り付けるスペースが用意されている |
側面は超大口径の230mm角ファンを備える。マザーボード上のとくに拡張カード部分に直接外気を吹き付けることができる |
全体に口径の大きなファンを中心に備わっているので、稼働中も回転がそれほど上がらず静かだ。この静かさには、側面カバーの縁などに貼り付けられているゴム素材も活きているようで、振動を抑える効果がある。
側面ファンはケーブルの取り回しが面倒になるケースもあるが、本製品は側面カバーに接点を備えることで使い勝手を良くしている。また、側面カバーの縁は制振用のゴムが取り付けられている |
トップ部にも230mm角ファンを搭載。こちらのファンはCPU周辺へ外気を吸入するのに役立っている |
また、本製品のデフォルト仕様であるGIGABYTE製CPUクーラー「G-Power 2 Pro」はサイドフローに近い形状ながら、やや傾いた格好になっている。CPUから奪った熱を素早く側面へ逃がしやすく、かつ、CPUソケット周辺のVRMの冷却も行いやすい。リッチな背面ファンを持つケースとCPUクーラーが良い相乗効果を生んでいる格好だ。
また、拡張性の良さも本ケースの魅力になっている。とくにHDD周りが充実しており、3.5インチHDD用のシャドウベイは7基ぶんを備えている。その部分は丸ごと取り出せるようにもなっているので、作業性も良い。
GIGABYTEの「G-Power 2 Pro」は斜めになった形状が特徴。背面の大口径ケースファンと組み合わせて、CPUから奪った熱の排気と、VRM部の冷却をうまく両立できる |
3.5インチシャドウベイは7基を備える。シャシー自体を取り外すことができるのでメンテナンスもしやすい |
さらに、昨今のSSDブームに合わせて、ミドルタワーケースでありながら2.5インチベイを2基備えているのも大きな特徴になっている。国内で入手可能な個人向けSSDは2.5インチサイズが一般的で、これを3.5インチシャドウベイに装着しようと思うとマウンタが必要となった。本製品ならば、マウンタなしで2台までのSSDを装着できるようになっているので、BTOメニューでSSDを選ぶもよし、後々の拡張を施すも良しの仕組みといえる。
さらに2.5インチのシャドウベイを備える。表と裏で各1台ずつ取り付けることができる |
電源などのスイッチとフロントパネルインタフェースは、ケースの上部に備えている。USBが隣接していないのは使い勝手が良い |
あと、ケースの特徴としては、スイッチやフロントパネルインタフェースが上部にある点が挙げられる。こうした製品も珍しくなくなったが、机の下にケースを置いた場合でもインタフェースの脱着などがやりやすいのは魅力。ただ、本製品の場合、電源スイッチとeSATAの位置が近すきて、eSATAコネクタを抜く際に電源スイッチに触れてしまいやすいのが気になった。慣れでカバー出来る範囲だとは思うが、利用時には注意したい。