サイコムが3月に販売を開始した「G-Master Revo3」。厳選させたパーツを自由に組み合わせられる充実のBTOメニューで、コストパフォーマンスの良いハイエンドPCを求めるユーザに嬉しい製品となっている。

主な仕様  [CPU] Intel Core 2 Duo E8400(3GHz)  [チップセット] Intel P45 Express + ICH10R  [メモリ] DDR2 SDRAM 2GB(1GB×2)  [HDD] 640GB SATA 7,200rpm  [グラフィックス] NVIDIA GeForce 9800 GT 512MB  [OS] なし  [価格] 119,800円 ※標準構成/BTO対応

メーカー名が記載されたBTOメニューが嬉しい

サイコムのG-Master Revo3は、Intel Core 2 Duo/QuadとIntel P45チップセットをベースとしたタワー型PCである……と書くと、PCが好きな方から「あぁまたか」と思われるかも知れない。ホワイトボックス系製品にとって、良コストパフォーマンスをアピールする製品の定番構成であり、製品数も非常に多い。だが、本製品はサイコムらしいこだわりのBTOメニューを用意することで、明らかにほかとは違った性格を生み出している。

BTOメニューが用意されたPCであっても、マザーボードやケースなどベースとなるスペックは固定されており、CPUやメモリ、HDD、拡張カードといった"増減しやすい部分"を自由にできるというのが一般的だが、本製品はそんなレベルのBTOメニューではない。

決まっているのは、「Intel P45+ICH10R」という部分だけ。それ以外の部分は、なんとマザーボードの製品や、ケースまで選べてしまうのである。マザーボードはチップセットが同一ながらも製品によって機能の多寡があるし、品質にも違いがある。長く使いたいパーツでもあるだけに、違いが分かるユーザにとってはうれしい部分だろう。

BTOメニューでも非常に珍しいケースの選択が可能。2モデルとも冷却機構、拡張性に定評ある製品が選ばれている

マザーボードの選択も可能。機能や品質を見極めて選択していきたい。また、CrossFireの導入可否も注意されたい

また、ケースというのは意外にこだわられるパーツだし、製品の外観を決めるものでもある。違うケースの製品を見せられて"同じG-Master Revo3です"と言われても納得できない部分はあるかも知れないが、その意味ではG-Master Revo3は一種のコンセプトを示す言葉として捉えておいたほうが妥当性が高いかも知れない。それはともかく、本製品では、「Thermaltake VK60001W2Z ElementS」「Antec Nine Hundred TWO」という、いずれもハイエンドユーザ御用達のケースを選択できる。

同スペックでも異なるメーカーのHDDが用意されるのが特徴。SSDもメニューに加えられている

グラフィックスカードはメインストリームからハイエンドまで多数揃っている。3Dゲームを本格的にやりたい人も満足できるだろう

さらにすごいのは、BTOメニューの段階で、ほかのパーツについてもメーカー名や製品名がしっかり記載されている点だ。先述のマザーボードもそうだったが、ほかにも例えばHDDなら同じ500GB/7,200rpmでも異なるメーカーから選択できるし、グラフィックスカードもメーカー名が記載されておりGPUクーラーの異なる製品を意図的に指定することができる。果ては、CPUクーラーという細かいパーツまで選定が可能だ。

これも珍しいCPUクーラーの選択。標準構成がもっとも高価だが、コストパフォーマンスに定評あるScythe製品で価格を抑制できる

これもBTO製品では珍しい。一般的にはHDD容量やGPUまでの選定ができても、メーカーまで選択できる製品は希有だ。BTOメーカーにとっては、表向きにはスペックのみを保証し、同じ仕様の製品から、その時々で安価であったり入手性が良かったりするパーツを組み込んで出荷する。とくにHDDやメモリなどは、その傾向が強く、同じ製品でも違うHDDが組み込まれたりする。実際、本製品もメモリだけはメーカー名やチップ名を指定できない(価格変動が激しいためだろう)。

ここまでくると、ホワイトボックス系PCといえども、もはや自作パーツの購入&組み立て代行レベルの自由度といっても差し支えないほど。さすがに選べるパーツはサイコムが指定したものに限られるとはいえ、いずれも定評あるパーツが選出されており、現在のトレンドに即したハイエンドPCが組み上げられる。ハイエンドPCが欲しいエントリーユーザーはもちろん、自作ユーザにとっても検討の価値があるPCといえる点が本製品の大きな特徴になっている。