QSB最大の長所は、キーボードだけで操作のほぼすべてを完結できること。アプリケーションをアプリケーション名 (の一部) の入力で起動できることは、キーボードであらゆる処理を済ませようという傾向が強いコマンド派にとって好都合なはず。デフォルトでは無効化されているが、Spotlightによる検索も可能なので、検索系の作業はQSBだけで済ませることができる。

Spotlightを統合するためのオプションも用意されている

アクションを使えば、ファイルを開く / 可憐付けられたアプリを起動できるMac OS X独自のコマンド「open」より柔軟に作業できる点もいい。openコマンドは、ファイルに対しダブルクリック相当の処理 (ファイルを開く / アプリケーションを起動する) しかできないが、QSBのアクションは「Convert」や「Get Info」、「Quick Look」など数が豊富。直感ではなく理性に訴えるインタフェースという意味で、ユニークだといえる。

そのように便利に使えるQSBだが、開発者向けプレビューゆえの問題点も少なくない。

まず挙げられるのは、反応がなくなる場面の多さ。Web検索すべく日本語のキーワードを入力し、変換を確定しようと[return]キーを押すや否や無反応になる、というケースにはたびたび出くわした。起動直後に異常終了、という事態も頻発する。手に馴染めば利用頻度が高くなるツールなだけに、安定性向上はどうしても必要だ。

さらに欲をいえば、シェル風の機能も追加してほしい。筆者はふだんEmacsで過ごす時間が多いため、[control]+[a]キーや[Control]+[d]キーなど、[control]キーを多用することが手クセになっているからだ。デフォルトで有効にならなくても、各種の操作をカスタマイズ可能にしてくれればうれしいのだけれど。

その気になればUNIXコマンドも実行できる (初回のみパスの指定が必要)

■仕様
名称 Google Quick Search Box
バージョン 2.0.0.918
動作環境 Mac OS X 10.5 Leopard以上
ジャンル 検索
開発者 Google
種別 オープンソース
ライセンス BSD