Google Quick Search Box (以下、QSB) は、GoogleがMac OS Xユーザ向けに無償公開する統合デスクトップ検索ツール。1月14日に提供を開始、現時点では開発者向けプレビューという位置付けだが、誰でも自由に利用できる。機能的には「Google Desktop」と類似点が多いものの、巨大なインデックスファイルを作成することはなく、Spotlightとの機能的な重複は感じられない。Spotlightとはまた別の、日常作業を効率的に進めるための便利ツールにまとめられている。
バンドル (Quick Search Box.app) 内部を調べてみると、このツールはGoogleが提供するフリー / オープンソースなAPIを活用したものであることがわかる。Objective-Cベースのさまざまな機能を提供する「Google ToolBox for Mac」や、Web上のデータにアクセスするための標準規約を定義する「Google Data API (GData)」については、興味を持つ開発者も多いことだろう。
ちなみに、QSB開発メンバーのうちNicholas Jitkoff氏は、Mac OS X向けキーボードラウンチャー「QuickSilver」の開発者として知られる人物。QSBはQuickSilverとよく似た操作体系を備えるが、QuickSilverが2007年11月にオープンソース化されたことを踏まえれば、QSBをその派生版と解釈することもできるだろう。
そのQSBは、Web / ローカルの壁なくあらゆるデータの検索に活用できる。あるキーワードをもとに関連するWebサイトを検索する (いわゆるWeb検索) はもちろん、Mac OS Xに標準装備の住所録ソフト「アドレスブック」に登録した個人情報、iTunesライブラリに記録された曲名やアーティスト名など、ローカルのHDDに蓄積されたデータまでもが対象となる。
■表:「Google Quick Search Box」の「Searchable Items」に登録される機能 | |
機能 | 情報内容 |
---|---|
アドレスブック | アドレスブックに記録された人名、電話番号、メールアドレスなどのデータ |
アプリケーション | インストールされたアプリケーションの名称 (ex. Safari、iCal) |
電卓機能 | 四則演算など、GoogleのWeb検索と同じ |
ブックマーク | SafariとCaminoのブックマークを検索 |
ホームフォルダのほか、デスクトップ (~/Desktop) と書類 (~/Documents) 、ダウンロード (~/Downloads) を対象にファイル検索 | |
曲検索 | iTunesライブラリを対象に曲名で検索 |
Google AppsとGoogle Bookmarksを対象に検索 |