2110万画素の圧倒的な解像力
5D Mk2は2110万画素と、非常に解像度が高い。使用している解像力チャートでは最大解像力となる2000TV本を超えてしまう。そこで撮影距離を2倍にして撮影した(チャートの縦横方向で2倍、面積比で4倍のエリア)。読み取った値を2倍にすれば、本来の解像度に近くなるはずである。テストの結果は約1300TV本、つまり解像力は2600TV本相当となる。当然とはいえ、解像力は非常に高いといえる。
チャートを撮影し、解像力を調べた。中央が絞りF4(開放)、右はF11で撮影している。[EF24-105mm L IS USM / JPEG / L+Fine / 105mm / 絞り優先AE(WB:オート / PS:スタンダード] |
カメラ内で周辺光量を補正
35mm版フルサイズセンサーを持つカメラでは、周辺光量落ちが気になるところ。5D Mk2でも広角+絞り開放近くでは盛大に周辺が暗くなる。これは覚悟して使うか、絞り込むなどして撮影したほうがいいだろう。もちろん、周辺は落ちたほうが写真らしくていいということなら、まったく問題ない。
EOSシリーズでは、50Dに次いで5D Mk2にも「周辺光量補正」機能が追加された。初期設定でEFレンズ26本分の補正データをカメラ内に収録しているほか、EOS Utilityを使えば最大40本分の補正データをカメラ内に記録できる。この周辺光量補正を有効にしても、画質の劣化はほとんど見られなかった。常用してもいいだろう。もちろん、補正機能はオフにもできるので、レンズの味として周辺光量不足を生かせる撮影もできる。
周辺光量補正は、メニューから設定できる。補正データありのレンズであれば自動的に補正が行なわれる。以下は周辺光量落ちを比較したもの。[EF24-105mm L IS USM / L+Fine(JPEG) / 24mm / 絞り優先AE(WB:オート / PS:スタンダード] |
ソフト処理による周辺光量補正との違いは?
周辺光量補正機能は、カメラ単体だけでなく、付属のRAW現像ソフト「Digital Photo Professional」(以下、DPP)にも搭載されている。しかし取扱説明書によると、ソフトウェアのほうがより強力に補正するという。そこで、カメラ内で補正したものと、DPPを使って補正したものを比較してみた。絞りはF4固定としている。
結論としては、カメラ内で補正したRAWデータをDPPで開くと補正量が「70」と表示されるのに対し、見た目で周辺までフラットになるようにDPPで補正したところ、補正量は「110」となった。確かにDPPのほうが補正幅が広く取られているようだ。カメラでの補正で足りないと思う場合にはDPPを使ってみるのがいいだろう。なお、カメラでの補正値は変更できない。将来的にファームウェアで周辺光量補正値を変更できるようになると便利だろう。