ではRadeon HD 4870の外観を見ていこう。今回用意したのはForce3Dの製品。パッケージは最上位GPUとしては一般的なサイズだろう。Radeon HD 4870 X2のカードデザインは、Radeon HD 3870 X2のリファレンスとほとんど変わらず、カードの長さもGeForce GTX 280とほぼ同様だ。PCIe補助電源コネクタは基板に垂直にレイアウトされており、6ピン+8ピンの構成。その補助電源からブラケット部にかけて、剣山のようなヒートシンクが特徴的だ。カード裏面は2つのGPUの部分だけ金属板がくり抜かれている。

Force3D「RADEON HD 4870 X2」パッケージ

カード長はGeForce GTX 280と同等

2スロット厚であり、ブラケット側から排気するクーラーデザイン

カード上部には剣山付きの大型ヒートシンク。その後部には6ピン+8ピンのPCIe補助電源コネクタを装備する

裏面も金属板で覆われているが、2つのGPU部分だけ窓が開けられている

クーラーを取り外すと、2つのGPUの中間に、それらを結ぶスイッチチップの姿が確認できる。このスイッチチップはPLX Technology製「PEX8647-AB50BC」。PEX8647シリーズのスペック表を見ると、トータル48レーンのPCIe Gen2スイッチであることが確認できる。また、スイッチ→CPUに加え、各GPU間もダイレクトに通信できるといった機能も説明されている。搭載されているメモリチップは、Hynixの「H5GQ1H24MJR-T0C」。容量が1Gbit、データ転送速度が4.0Gbpsの製品だ。1つのGPUにつき表裏4チップづつ計8チップ、ボード全体では16チップ搭載されている。まさに、PEX8647を軸にRadeon HD 4870をまるごと2基詰め込んだカードとなる。

クーラーを外した状態。GPUとGPUの間にPCIeスイッチチップが搭載されている

Radeon HD 4870 X2の2つのチップのうちの1つ。同じチップが2つ搭載されている

PLX Technology製のPCIeスイッチチップ「PEX8647-AB50BC」を搭載。Radeon HD 3870 X2では同じPLX TechnologyのチップでもPCI Express 1.1対応の「PEX8547」が搭載されていたところ

各GPUが表面4チップ、裏面4チップのGDDR5メモリを搭載。GPUごとに180度回転させたレイアウトが特徴的

今回は、現在入手できるグラフィックスカード(シングル)の頂上対決ということで、GeForce GTX 280との比較をしてみた。なお、テスト環境はIntel X38マザーボードを軸とした構成である。GeForce GTX 280の計測値は同じ環境で前回計測したMSI「MSI N280GTX-T2D1G」のデータを流用している。

Radeon HD 4870 X2 Radeon HD 4870 GeForce GTX 280
Graphics Force3D RADEON HD 4870X2 ASUSTeK EAH4870 MSI N280GTX-T2D1G-OC
GraphicDriver Catalyst 8.6Sample Forceware 177.34
CPU Core 2 Duo E8500(3.16GHz)
Motherboard Intel DX38BT
Chipset Intel X38 Express
ChipsetDriver Intel Chipset Software Installation Utility 8.3.1.1010
Memory DDR3-1333(1GB×4/9-9-9-24) GeIL G32GB1333C9DCx2
HDD WD3200AAJS-B4A(320GB/7200rpm/8MB)
OS Windows Vista Ultimete SP1 32bit(E)