周辺の文字もクリアに撮影できるか?
次に周辺部分の解像力をチェックした。ここでは新聞を使用し、1Dsと1Dで絞りを変えて撮影し、画像の右下エリアを切り出した。EF24-70mm F2.8LとEF16-35mm F2.8L IIのワイド端で撮影範囲がほぼ同じになるように撮影している。同じピクセル数で切り取っているため1Dsのほうが文字が大きくなっている。
EF 24-70mm F2.8Lでは、1DsではF2.8ではまるで像が結像していないような写りになってしまった。絞りを絞っていくに従い像がはっきりしていき、F11が最もシャープとなった。F22になると今度は回析現象で像が甘くなっているのがわかる。これが1Dでは、F2.8では像が甘い印象だが、1段絞ったF4でもう実用域の解像力を持っている印象だ。F5.6以降それほど画像に変化は感じられない結果となった。
また、2007年にリニューアルされ、デジタル対応したEF16-35mm F2.8L IIでテストを行った。やはり1Dsで使用するとやはり周辺が流れやすいのがわかる。
レンズの回析はどうか?
フィルム時代でも絞りを絞ることによって起こる回折現象は発生していたが、撮像素子面にマイクロレンズを備えたデジタル一眼レフでは、それが顕著に現れるようになってしまった。ここでは実際にどの程度の絞りから回析現象が発生していくかをチェックした。
1Dsで解像度チャートを通常通りに使用して撮影し、画像のレンズ中心付近を100%で切り出したものを掲載した。並べてみると、F2.8から絞るにつれ画像がシャープになっていき、F8~F11で最もシャープな映像になっているのがわかる。しかし、F16を超えると今度は像が甘くなっていく。これが回折現象だ。ここに掲載はしていないが、1Dでも同様に発生した。一般にデジタルカメラでは、F8~F11がもっともシャープといわれているが、今回のテストもそれを裏付ける結果となった。以下の画像は、1Dsと EF 24-70mm F2.8L で撮影し、一部を切り出したもの。