まず、より高速な「3Gネットワーク対応」だ。同じ条件でWebサイトのロード時間を比較すると、EDGE版の初代iPhoneが59秒であるのに対して、iPhone 3Gは21秒と2.8倍も高速化する。Wi-Fi経由の17秒に迫るスピードだ。3G対応の課題とされていたバッテリ駆動時間は、スタンバイで300時間、2Gネットワークの通話時間が10時間、3Gネットワークの通話時間が5時間と、初代iPhoneのレベルを維持している。

3G対応とGPS機能を備えながら、緩やかなカーブのあるスリムな本体になったiPhone 3G

本体背面はプラスチックになった。指紋が付きやすいが、初代iPhoneよりもしっかりとホールドできる

本体上部のヘッドフォンジャック。初代iPhoneは一部のヘッドフォンしか使えない特殊な形状だったが、iPhone 3Gは一般的な3.5mmジャックになった

本体底面。内蔵スピーカーが一新され、よりクリアなサウンドを楽しめる

EDGE版のiPhoneと3G版のiPhone 3GでWebサイトの表示速度を比較

Wi-Fiが最も高速だが、3GはWi-Fiに迫る数字

さらにNokia N95、Treo 750と比較。Safariを搭載したiPhone 3Gが36%高速で、しかもページを読みやすい

iPhoneとiPhone 3Gで、メールの添付ファイルのダウンロードから表示までの速度を比較

2つめのポイントは「エンタープライズ向けの機能」。iPhone 2.0発表時に明らかにされた通り、プッシュメール、コンタクトおよびカレンダーの同期、リモートワイプも可能なMicrosoft Exchange ActiveSyncサポート、Cisco IPsec VPNサポートなどが含まれる。iPhone 2.0のベータプログラムには、Fortune 500企業の35%、商業銀行とセキュリティ企業のトップ5すべて、航空会社のトップ7中6社などが参加しているそうだ。iPhone発売当初はエンタープライズ向きではないという批判が目立ったが、企業もiPhoneの特徴であるユーザーインタフェースに関心を持っていたようだ。

iPhone 2.0のエンタープライズ向け機能の数々

iPhoneでエンタープライズ市場を攻略できないと言われた時期もあったが、iPhone 2.0のベータプログラムには主要な企業が関心を示した

このほかiPhone 2.0で提供される新機能として、Core LocationとGPS機能を使ったリアルタイムのマッピング、iWorkファイルのサポート、複数のメールメッセージの削除と移動、コンタクトの検索、画像保存、関数電卓、保護者コントロールなどが紹介された。

関数電卓

保護者コントロール機能

3つめは「サードパーティ製アプリケーション」だ。iPhone対応のソフトウェア開発環境として「iPhone SDK」を提供し、作成されたアプリケーションをユーザーが安全に導入できる仕組みとして専用のオンラインアプリケーションストア「App Store」を用意する。このほかにもサードパーティ製アプリケーションをiPhoneにインストールする方法としては、企業単位の契約や、教育機関などを対象に最大100台の登録iPhoneに対してアプリケーションを配布できる「Ad Hoc」などがある。

ダウンロードは、アプリケーションのサイズが10MB以下の場合は携帯ネットワーク、Wi-Fiによる直接ダウンロード、またはiTunes経由を利用できる。10MBよりも大きい場合Wi-FiとiTunes経由に限られる

アプリケーションの配布にはApp Storeのほか、エンタープライズとAd Hocを用意