ファインダーは狭いがフォーカスは速い
E-420の光学ファインダーの視野角を計測したところ、約18.9度だった(対角)。E-410とほとんど変わらないとはいえ、残念ながら現在のレベルでは少々狭い。アクセサリーのマグニファイヤー「ME-1」がオススメだ。周辺が若干暗くなるが、視野はひとまわり広くなる。
中央の測距点(位相差式)のみを使用するオートフォーカスのテストでは、EV5の明るさで平均約1.2秒、EV1では約1.6秒となった(14-42mm)。E-510やE-410とほぼ同じだが、このクラスとしては十分速く、合焦時間のムラも少なかった。実は、爆速のキヤノンの次にくるのが一連のオリンパスのカメラ。快適に撮影できるはずだ。またパンケーキの25mmでも同様のテストを行なったところ、ほんの少し速かった。といっても平均で0.1秒の違いなので、体感的にはほとんど違いはわからないはず。
光学ファインダーの像。対角の視野角は約18.9度だった。計測はコンパクトカメラをE-420のファインダー接眼部に接触させて撮影した画像から割り出している |
光学ファインダー内の表示。このほか、ホワイトバランスや露出補正値、電池残量、測光方式なども表示される |
位相差式では、AFポイントは横並びの3点式 |
行きすぎる傾向の動体撮影
コンティニュアスAF(C-AF)、AFポイントを中央固定としてブランコを連写した。結果はいまひとつといったところ。オートフォーカスは一生懸命追従しようとするのだが、つい行きすぎたりして遅れることが多かった。フォーカスそのものは速いのだが、レリーズや制御など、全体として遅れるような感覚だ。あくまで印象だが。
位相差式の測距点は3点しかないが、E-420ではそれほど欠点ではないだろう。E-420で位相差式を使うシーンを考えると、スナップ的な撮影が多いはず。であれば3点でもけっこうフォローできるし、もっと構図を考えて絵を作り込むなら、ライブビューのコントラスト検出を使えばいい。フレーム内のどこにでもピントが合わせられる。ホントのことを言えば、手ブレ補正機能があれば鬼に金棒なのだが……。
連写は最高で秒3.5コマ。以下はコンティニュアス、AFポイント中央固定でブランコを撮影したもの |
高感度でも極端に増えないノイズ特性
E-420の「高感度ノイズ低減」機能は、オフ/弱/標準/強 の4段階で設定でき、その名のとおり「標準」が初期設定になっている。この状態でのノイズは、ISO 400まではほとんど変化はなく、ISO 800でごくわずかにざらつきが発生する。ISO 1600ではコントラストも低くなり、ざらつきも急激に増えてしまう。それでも色ノイズは見られないし、"これは使えない"といったイメージもない。全体に良く抑えられている。常用はISO 800まではほとんど問題なく、神経質にならなければISO 1600でも大丈夫だ。
ほかの「高感度ノイズ低減」でもチェックしてみた。「オフ」「弱」ではISO 800でも細かなざらつきが明らかに発生し、「強」ではノイズは減るものの、少しエッジのシャープさが失われてしまう。ISO 1600でもこの傾向は変わらず、「オフ」「弱」ではよりざらついたノイズが増え、「強」ではさらにゆるい画像になる。こう見ると、「標準」がうまく設定されていることがわかる。変更する必要はないだろう。