ダイヤルだけで露出補正が可能に
E-420は安価なカメラだが、質感は低くない。むしろボディのシボの具合など、単体10万円クラスのカメラよりも上に見えることもある。上部ダイヤル類はE-410がざっくりした凸凹状だったのに対し、E-420は細かな滑り止めが施されている。これも高級感の向上に貢献している。
グリップ部分が小さいのがE-410/E-420の特長だが、E-420では前面のエッジが少し盛り上げられている。これで薬指(もしくは小指)でひっかけるようにホールドでき、とても具合がいい。このタイプのボディは右手で握り込むのではなく、左手に乗せて右手は添えるのが基本だが、こういった細かな工夫はとてもいいと思う。
ただ、ストラップ取り付け部の関係で、グリップすると人さし指の下にストラップが咬んでしまう。これは少々悩むが、人さし指と中指の間にストラップを通すのがいいようだ。操作の邪魔にもならない。シャッターは半押しがわかりやすいタイプ。指を立てるようになるが違和感はない。
E-410のインプレッションで、露出補正ボタンがコントロールダイヤルと近いため、狭くて操作しづらいと記したが、E-420ではさっそく解決方法が提示された。「カスタム」メニューの「ダイヤル機能」を変更すると、露出補正ボタンを使わず、ダイヤルだけで補正が可能になるのだ。これはとても使いやすい。絞り優先AEなどで、絞り変更と露出補正のどちらをボタン+ダイヤルに追いやるか迷うところだが、個人的には露出補正が簡単にできたほうがありがたい。このカスタム機能はとてもいいと思う。
ボタン類はちょっと小さめで、繊細なイメージ(使いにくいわけではない)。これはE-420のキャラクターに合っていていいのだが、電源ボタンとモードダイヤルだけストロークが大い。このあたりのフィーリングもボタンに合わせてほしい。
デジタル系の操作を担当する左側の4つのボタンは、上ふたつに仕切りが入っている。これも操作ミスが少なく済むはずだ。十字キーが少し小さめなのはいいとして、その下のUSBコネクター部分が出っぱってるのが気になった。構えたときに手に当たるし、十字キーの下向き操作がちょっとやりづらくなる。ケーブルをつないだときも邪魔になるので一般的なボディ左側などに移せないのだろうか。
相変わらず便利なスーパーコンパネ
液晶モニターに撮影設定の情報を表示するのはもちろん、そこからダイレクトに設定が変えられる「スーパーコンパネ」を採用している。オリンパスは従来からこの機能を備えているが、相変わらず使いやすい。ただ、E-420では情報を減らして文字を大きくする表示パターンがなくなってしまった。個人的にはいつも詳細表示を使うので問題はないが、初心者や目の弱い人を考えたら、文字の大きな表示を残してもよかったのではないか。
情報表示画面で[OK]ボタンを押すと、表示されている設定のひとつ(最後に設定した機能)が選択される。目的の機能を十字ボタンで選び、コントロールダイヤルを回せば設定が即座に変更され、再度[OK]ボタンを押せば選択可能な一覧が見られる仕組み。決定は[OK]ボタンを押す必要はなく、選択しただけで決定になる。あまりに簡単すぎて誤設定の可能性がないわけではない。しかしそこはスーパーコンパネ、設定がいつも表示されているから、ざっと見ただけで間違いを見つけやすい。設定項目の多いデジタル一眼レフでは、現在のところ、もっとも使いやすい設定・表示方法だと思う。
[MENU]ボタンで開く通常メニューは縦に「撮影」「再生」などのグループが並び、右に各機能が並ぶ一般的な形式。直前に使ったメニューの位置を覚えているが、何か操作をすると忘れてしまう。
E-420はずいぶん設定項目が増えた。ライブビューを本格的に推し進めていることもあるのだろう。特に「カスタム」メニューは階層が増えて、「AF/MF」「ボタン/ダイヤル」といったサブグループができた。こういった階層化はあまりいいこととは思えないが、それほど不便に感じなかったのは、よく使う機能はスーパーコンパネでほとんど設定できるためだろう。
スーパーコンパネの情報表示画面。常時必要な情報がほとんどすべて並んでいる |
E-410のシンプル表示。E-420ではこれができなくなった |
風景などの「かんたん撮影モード」でも同様の表示。ただし操作できない機能もある |