消費電力はやや高め
最後は消費電力比較。今回も、PowerNow!は切った状態で計測し、ピークとミニマムを計測してみた。Phenom X4 9850はミニマムで見ると138Wと、X3と比べて20W増の結果。しかしピークではPhenom X4 9850ノーマル時と比べ50Wも多いという結果となっている。なお、オーバークロックされたPhenom X4 9850は相当な熱を生じるので、冷却には気を使う必要がある。
まとめ
B3リビジョンの登場によって、TLBに関するエラッタへの不安が解消されたことから、AMDファンにとって購入をためらう理由はだいぶ薄れたはずだ。さらにB3リビジョンではオーバークロック耐性が高まった感もある。そもそもPhenom X4 9850はBlack Editionであるため、オーバークロックして楽しむという選択も有りだろう。
とはいえ、今のAMDラインアップに欠けているのは最高級のプロセッサだろう。Phenom X4は現在のAMD製プロセッサのなかでは、最高であることは間違いない。しかし今回のテストのように、ひとつ古い世代のライバルCPUと比較しなければならないところは、当のAMDにとっても歯がゆいものだろう。AMDの次の一手は何になるだろうか。低消費電力やクロックの引き上げを可能とする45nmプロセスの開発は進んでいるが、その登場は今年後半~来年初頭が予想される。それまでの約半年の間でも、Phenomのリビジョンはさらにアップされるのか、消費電力を抑えた製品や、より高クロックな製品は出てくるのか、といった期待はしたい。
低消費電力と言えば、Phenom X4 9100eが日本限定で店頭販売されることが明らかにされた。あるいはこのようにメインストリーム層をターゲットとした低消費電力製品の拡充という割り切った選択も有りではないだろうか。