Phenom X4 9850をCore 2 Quad Q6600と比較
今回は、最上位のPhenom X4 9850を用いてベンチマークしてみたい。比較用に用意したのは同じクアッドコアCPUで、価格帯がほぼ同じくらいのCore 2 Quad Q6600。ただし厳密に比較すると、Phenom X4 9850の方が価格は若干高く、Core 2 Quadの方が動作クロックは100MHz低い。この点に留意したうえで読み進めていただきたい。
CPU | Phenom X4 9850 | Core 2 Quad Q6600 |
---|---|---|
動作クロック | 2.5GHz | 2.4GHz |
マザーボード | GIGABYTE GA-MA78GM-S2H | Intel DX38BT |
チップセット | AMD 780G | Intel X38 |
メモリ | CFD DDR2-800 1GBx2(5-5-5-12) | Team DDR3-1333(1066として使用) |
グラフィック | Leadtek GeForce 8600 GTS(256MB) | |
ドライバ | Forceware 169.25 | |
HDD | WesternDigital Caviar SE 7200rpm 320GB 8MB(WD3200AAJS-B4A) | |
OS | Windows Vista Ultimete SP1(32bit) |
まずSandra XIIでの結果。全体的にCore 2 Quad Q6600を超えることはなく、とくにグラフ1のMulti-Media Intテストでは、拡張命令セットへの対応の違いで大きく差をつけられている。
グラフ3はCINEBENCH R10の結果。Single CPUでは1000ほどの開きがあるが、Multiple CPUではややその差を縮めている。
グラフ4はSYSMark 2007 Previewの結果。前回のPhenom X3のテストで、さらりとクロックの差などということを書いてしまったが、これは正しくない。他のデータとの照合を怠った筆者の過失である。今回の表からわかるとおり、クロックやスレッド数なども影響するものの、それ以上にアーキテクチャの部分で差が生まれていることがわかる。先のSandra XIIで得られたような拡張命令セットへの対応や、アプリケーションの最適化などの要因だ。アプリケーションテストというPCの実際の利用状況を想定したテストでかなりの差をつけられているというのは、Phenom X4 9850にとってバツの悪いテストだ。
グラフ5はPCMark Vantageの結果。Phenom X4 9850はCore 2 Quad Q6600に対しておよそ80%という結果だ。ほとんどのテストでは率にして90%前後にとどまっているのだが、MusicやCommunicationsが弱点で80%台前半、これをならすと約80%という結果になる。
グラフ6・7は3DMark06の結果。両者の間には確かに差があるものの、高解像度では3DMarksにして100程度の差でしかない。ちなみにグラフ6のテストにおけるCPU Testスコアのみを抽出したのがグラフ7だ。