「Bento」(図1)は、ファイルメーカーが新たに個人ユーザー向けに開発した、Mac OS X 10.5 Leopard専用データベースソフトです。変わった響きのするこの名称「Bento」は、日本語の「弁当」が由来となっています。
2007年11月13日に米FileMakerのサイトにて英語版Bentoのパブリックプレビュー(無料、ただし使用期間限定)が始まって以来、1月上旬の段階で早くも14万以上の本数がダウンロードされ、試用したユーザーから高い評価を得ています。そしてこの7日に、待望の日本語対応Bentoの発売が開始されました。
そこで本稿では、そのBento(1.0 v2) 日本語版を元に解説を行います。現在、日本語対応の無料評価版がファイルメーカーのWebサイトで配布されており、Bento 無料評価版ダウンロードリクエストページから入手できます。この評価版を元に、本稿で紹介している利用方法を試していただくと、Bentoに関する理解がより深まるでしょう。
マイコミジャーナルでは、Bentoについて解説した特集記事
・「【特集】緊急解説! Bento - 新世代"パーソナルDB"の全貌をつかむ(前編)」
・「【特集】緊急解説! Bento - 新世代"パーソナルDB"の全貌をつかむ(後編)」
も掲載しています。これら記事も合わせてお楽しみください。
そもそもデータベースソフトとは?
データベースソフトとは、大量の情報を蓄積して、整理整頓し、活用するためのソフトウェアです。情報を見やすく並べ変えたり、必要な情報だけを検索して取り出せます。
普段は意識していないかもしれませんが、実はみなさんはすでにデータベースを利用し、その恩恵を受けています。例えば、インターネット検索サイトとしておなじみの「Yahoo!」や「Google」です。検索エンジンと呼ばれるその仕組みは、データベースを利用して「検索ワードを含むホームページはここです」と動作しているのです。
さらに身近な例を挙げてみましょう。DVDのコレクションが増えてくると「うっかり重複して買ってしまった」といったケースが出てくると思います(プライスダウンして再発売なんてことがよくありますから)。そんなときにはデータベースソフトが役立ちます。暇なときを見つけて、地道に1枚1枚DVDの「作品名」「監督名」「出演者名」「公開年度」「上映時間」「その他(××賞受賞など)」などの情報をデータベースソフトで登録しておきます。
ある程度登録件数が増えてきたら今度は活用する番です。例えば「作品名」で五十音順やアルファベット順に並べ替えて表示したり、「公開年度」の古い順や新しい順に「作品名」を並べ替えて表示したり、またその結果を印刷することもできます。
「あのDVDを買おうかな」と思ったら、ショップに行く前にデータベースソフトを立ち上げ「作品名」で検索をかければ、すでに持っているかどうかを簡単に調べられます。「持っているDVDの中で、あの役者の出ている作品ってどれだっけ?」と思ったら、「出演者名」を対象に検索をかければ合致する「作品名」がリストアップされます。
その他にも個人レベルの活用例としてはCDやMD、ビデオ、本、画像・音声・動画ファイルなどのコレクションや住所録などがあります。また仕事レベルでは顧客名簿や、会員名簿、取引先名簿、商品情報、プロジェクト管理やイベント管理など、さまざまな情報の管理にデータベースソフトが活用できます。