Phil Schiller氏が挙げたリクエスト項目すべてに、iPhone 2.0でチェックマークがついた

6月にリリースされる予定の「iPhone 2.0 Software」では、エンタープライズ向けの機能が強化される。ワールドワイドプロダクトマーケティング担当シニアバイスプレジデントのPhil Schiller氏によると、1.x世代でもGenentechやスタンフォード大学などでiPhoneが採用されている。ただしiPhoneに対する企業や組織の関心が高まると共に、プッシュメール、Global Address List (GAL)、Cisco IPsec VPN、WPA2/ IEEE 802.1X認証、セキュリティポリシー適用などを求める声も拡大しているという。そこで2.0では以下のような企業向けの機能をサポートする。

企業のIT管理者が、iPhoneのパスワードポリシー、VPN設定、認証インストール、メールサーバー設定などを一括して管理できるユーティリティを用意する。定義された設定はWebリンクまたは電子メールでユーザーに送信され、各ユーザーはiPhoneでユーザーIDとパスワードを入力した後に、設定をダウンロードしてインストールする。

Microsoft Exchange対応も大きな特徴の1つだ。AppleはActiveSyncソフトウェアのライセンスを取得、同機能をiPhone向けに提供する。これよりMicrosoft Exchange Server 2003 / 2007のデータに、iPhone標準のMailやContacts、Calendarからアクセスできるようになる。

iPhoneのMailの設定にMicrosoft Exchangeの項目が追加

Exchange ActiveSyncの設定

このほかiPhone 2.0 Softwareでは、App Storeの提供が始まるほか、添付されたPowerPointファイルの表示、複数の電子メールメッセージの削除 / 移動などの新機能が追加される。

なお米国時間の3月6日より、iPhone SDKのベータ版を無償でダウンロードできる (Apple IDによる開発者プログラムへの登録が必要)。さらに一部の開発者とパートナーを対象に、iPhone SDKを含むiPhone 2.0 Softwareのベータ提供が始まった。6月リリース予定のiPhone 2.0の最終版はiPhoneユーザーには無料アップグレードとなるが、既存のiPod touchユーザーがApp Storeを利用するためのアップグレードは有償になるという。