Forstall氏はiPhone SDKの効率的な作業環境をアピールするために、イベント用に作成した写真ソフト「Touch FX」とシューティングゲーム「Touch Fighter」のデモを披露した。写真ソフトでは、Image PickerでiPhone内から取得した写真、またはCameraで撮影した写真を、マルチタッチを使ってゆがめたり縮めたりなど様々なエフェクトを加えられる。作成期間はわずか2日だったという。Touch FighterはOpen GLを活用したシューティングゲームで、iPhone本体を動かしながら戦闘機を操作し、画面に触れて射撃する。こちらは少し苦労したというが、それでも2週間で完成したそうだ。

Touch FXでは、まずImage PickerとCameraを利用して画像を取り込む

取り込んだ画像をマルチタッチでいじる……。iPhoneを数回振ると元の状態に戻る

Instrumentsで「Touch Fighter」のグラフィック性能を収集

フレームレートが乱れた部分の原因を分析

Electronic Artsは話題作「Spore」をデモ

Appleはイベントの2週間前にサードパーティにもiPhone SDKを渡し、実際にサンプルソフトを作成してもらった。いずれもiPhone SDKに触れるのは初めて、また「日常的にMacを使っていない人たちばかり」(Forstall氏)だという。

まず最初にElectronic Artsが登場。Will Wright氏の新作として話題の「Spore」が、いきなりスクリーンに映し出されて会場がどよめいた。クリーチャーを創造していくゲームなので、クリーチャーを生成したり、触れる際にマルチタッチの方が、より感情を移入できるように見えた。

Salesforce.comはSFAの動作デモにとどまらず、様々な営業利用シナリオも提案

続いてSalesforce.comのChuck Dietrich氏が営業支援ツールのSales Force Automationのデモを行った。同氏はまず表やグラフがiPhone上で美しく表示されるのを示した上で、iPhone SDKではローカルへのデータ保存が認められていることからネット接続を問わないソリューションが実現すると指摘した。またSalesforce APIとの連携も可能。ソースデータベースにアクセスし、営業マンが状況に応じてiPhone上のデータを動的にソートし直せる。

AOLが作成したiPhone用AIMでは、スワイプによる会話の切り換えや、Image Pickerを使ったプロフィール作成が可能だった。Epocratesは、高解像度の写真やSQLiteを利用した薬剤データの管理を披露。「スーパーモンキーボール」の一部を移植したSEGAのEthan Einhorn氏は「ゲームコントローラを握ったことがない人でもすぐにプレイできる」とコメント。さらに「自分のようなハードコアゲーマーでも2週間もプレイすると通常のゲームコントローラに戻れなくなる」と付け加えた。

AOLのインスタントメッセンジャーAIM

SEGAは「スーパーモンキーボール」でスムースなコントロールをアピール

薬剤データベースのモバイルソリューションを提供するEpocrates。高解像度の写真は薬を間違わないための第1歩

手元にある種類が不確かな薬を色や形から検索