ソフトウェア配信事業の説明はSteve Jobs氏が担当

サードパーティによるiPhone / iPod touch用ソフトウェアは、Appleが新たに設ける「App Store」を通じて配信される。iPhone / iPod touchまたはiTunesからアクセス可能。iTunes Storeでの音楽やビデオ配信と同様、カテゴリや新着順でブラウズしたり、検索を利用できる。iPhone / iPod touchから購入したソフトウェアはワイアレス経由で直接ダウンロードが可能。また購入したソフトウェアのアップデートを自動的に通知する機能を備える。

App Store

iPhoneで購入。直接ダウンロード / インストールが可能

iTunes Store内のApp Store

配信場所がApp Storeに限られるということは、開発者にとってApp Storeへの参加がソフトウェア提供の必須条件となる。つまりAppleの承認を得る必要があるのだ。これはiPhoneプラットフォームの堅固なセキュリティやユーザーの安全な利用につながるものの、開発者にとっては重荷と言える。

違法・有害なソフトウェア、ポルノなど、制限の対象となるケース

制限の対象として、違法 / 有害なソフトウェア、ポルノ、プライバシー侵害、帯域を占有したり、予想できないソフトウェアなどが挙げられた。これらの条件をクリアし、App Storeで配信できれば、全てのiPhone / iPod touchユーザーにアクセスできる。これは大きな魅力である。

価格は開発者が自由に決定できる。販売に際してクレジットカード決済やホスティングのコストは発生しないが、売上げの30%をAppleが徴収し、残る70%が開発者分となる。Apple分についてSteve Jobs氏は「音楽などと同様、配信から利益を上げるつもりはない」と述べ、大部分がストア運営コストであることを強調した。フリーウェアに関しては無料で提供できる。

App Storeでの売上げの30%をAppleが徴収

SDK提供とApp Store立ち上げに伴い、AppleはiPhone / iPod touch向けアプリケーションの開発 / テスト / 配信、サポートをまとめた「iPhone Developer Program」を用意した。一般向けのスタンダード プログラムが年間99ドル、企業向けエンタープライズ プログラムが年間299ドルとなっている。企業ユーザーには従業員だけがセキュアにアクセスできる独自ページがApp Store内に用意される。なお、同プログラムの登録はまず米国内の一部の開発者とパートナーのみに制限し、段階的に登録者と地域を拡大していくという。