Safari

システム標準のWebブラウザSafariもメジャーバージョンアップ、βの取れた「Safari 3」として正式にリリースされた。主要な変更点については、パブリックβがリリースされたときにお伝えしているため、その後追加された新機能についてのみ触れることにしたい。

その1つが、Webページの任意の範囲を切り取ってDashboardウィジェットとする「Webクリップウィジェット作成機能」。ツールバーに追加されたハサミのボタンをクリックすると、そのときアクティブなタブ / ウインドウが暗く表示されるので、適当な位置をクリック。文章や画像などオブジェクトが選択された状態となるので、8カ所あるマーカーをドラッグして切り取りたい範囲を指定、最後に右上の[追加]ボタンをクリックする。これだけで、「Webクリップ」と呼ばれるDashboardウィジェットが作成できてしまうのだ。

「Webクリップ」

Webクリップに表示されるHTMLは静的ではなく、ライブの情報が反映される。よくアクセスするWebサイトの特定範囲をクリップしておけば、常に最新の情報がDashboardに表示されるという仕組みだ。作成したWebクリップは、オプション画面で[編集]ボタンをクリックすれば表示範囲を変更できるほか、ウインドウ枠のデザインも6種類ある中から選択できる。うまく利用すれば、ブックマークではない新しい"サイトへの近道"になることだろう。

PDFのサポートも強化された。Webページ上にあるPDFへのリンクをクリックすると、SafariにビルトインされたPDFビューア機能が動作を開始、PDFの拡大 / 縮小やダウンロードなど各種操作が可能となる。HTMLに比べると読み込む時間はかかるが、その起ち上がりは速く動作はキビキビしている。ページ検索機能など、PDFビューアとしての基本機能を一通り備えているので、ライトユーザはこれで十分ともいえる。

PDFビューアとしての機能も強化。ローカルへの保存も容易になった

辞書

Leopardに用意されている「辞書(Dictionary.app)」は、少なくとも日本語を母語とする我々にとって、TigerまでのDictinary.appとは別物と言っていい。日本語環境で利用できる辞書は、小学館とのライセンス契約により導入された大辞泉とプログレッシブ英和・和英中辞典、類語例解辞典の4種と、Apple用語辞典、そしてWikipediaの計6種。環境設定を変更すれば、New Oxford American DictionaryとOxford American Writer's Thesaurus(Tigerのときはこの2つの辞書しか用意されていなかった)も利用できる。

4種の日本語辞典に対応した新しい「辞書」

Wikipediaのサポートにより、図入りの百科事典としても利用できる

このアプリケーションもSpotlightに対応しているので、デスクトップ右上から起動する検索フィールドから辞書を引くことができる。Dictionary.appの検索フィールドも、インクリメンタルサーチが可能など、使い方はSpotlightと同じだ。もちろん検索速度は高速、あっという間に目的の語句を調べることができる。使えば分かるがとても便利で、日本人ユーザにとってのLeopardの目玉機能と言って差し支えないだろう。

Wikipediaのサポートも重要なポイントだ。WebKitの機能を利用してHTMLをレンダリングするため、画像の表示を含めSafariと変わらない画面を読み進められる。ただし、リンクの処理には問題があるようで、「レパード」の検索結果に表示された「Mac OS X v10.5」のリンクをクリックしたところ、「何も見つかりませんでした」となった(Safari 3では正しく画面遷移する)。実質的に"初物"のため仕方ないが、早急なアップデートを期待したい。