Appleの発表によれば、Leopardに追加された新機能の数は300以上。200以上といわれていたTigerを上回る、OSのメジャーバージョンアップにふさわしい数といえる。それら新機能の各論へ入る前に、まずはLeopardの主立った"ニューフェイス"たちを眺めてみよう。

Time Machine

Leopardのもっとも注目すべきニューフェイスは、やはり「Time Machine」だろう。わずらわしさゆえに敬遠されがちだったバックアップ作業を自動化するシステムとして、そのバックアップした内容から迅速にデータを復旧するツールとして、前評判に違わぬ機能を秘めている。

なかでも目を引くのは、バックアップの仕組みだ。過去から現在へという時間軸を暗喩しているかのような、あるいはタイムトンネルのような、Finderウインドウに遠近感を持たせた表示効果ばかり注目されがちだが、コピーでもエイリアスでもない方法でバックアップを作成することこそが最大のポイントだろう。その具体的な説明については、こちらの「Mac OS X Leopard - 新機能 - Time Machine」を参照してほしい。

ただのバックアップ & 復旧ツールではない「Time Machine」

システム環境設定で「入」にしておくだけで、定期的なバックアップが行われる

Spaces

ディスプレイに表示されている以上にデスクトップを広く使う「マルチデスクトップ機能」は、Mac OS Xにありそうでなかった機能の1つ。これまではサードパーティーがフリー / シェアウェアの形で銘々のマルチデスクトップ機能を提示してきたが、AppleはLeopardに「Spaces」を投入することにより、Appleなりのマルチデスクトップのあり方を示した。

このSpaces、確かにマルチデスクトップ機能だが、ただデスクトップが広く使えるだけではない。あるアプリケーションのウインドウを特定のスクリーンにのみ表示したり、すべての仮想デスクトップを一度に鳥瞰したり、デスクトップを切り替える操作方法をいくつか備えていたり……これまでマルチディスプレイ機能の必要性がいまひとつ分からなかったというユーザも、Spacesによりその価値が理解できるようになるかもしれない。

操作スペースを切り替えると、このように画面の遷移を知らせるダイアログが一瞬現れる

作成できる仮想画面(操作スペース)は最大16

FinderとDock

Mac OS Xのユーザインタフェースを支える2本の大黒柱、「Finder」と「Dock」も進化を遂げた。Cheetahの登場以来「Aqua」と総称されている外観も、すでに水を感じさせる要素は少なく、よりメタリックな方向へと舵を切っている。

Finderの新機能には、ファイルを開かずに内容を確認できる「クイックルック」、iTunesのCover Flowと同じくファイルのプレビューを左右方向へパラパラと表示する「フロー表示」などがある。Spotlightとの親和性が向上し、Finder左上の検索バーでも(Tigerのときメニューバーから起動していた)Spotlightそのままの検索が可能になったことも、大きな変更点といえるだろう。

一方のDockには、新機能として「スタック」が追加された。ただフォルダを登録しておくだけでなく、クリックするとグリッド状・円弧状に内容物が現れるなど、狭いスペースを有効に活用する工夫がなされている。最初は外観の変化に注目が集まるかもしれないが、数カ月も経てばスタックこそがDock最大の変化だと気づくことだろう。

「クイックルック」の機能を使えば、写真のインデックスシート作成もかんたん

Dockの新機能「スタック」を使えばファイルの呼び出しもラクになる