CUI派御用達のアプリケーション「Terminal」も、マルチバイト文字を扱えないなどの仕様で悩んでいた数年前がウソのように、機能充実のターミナルエミュレータへと進化した。筆者は長年、NEXTSTEP / OPENSTEPに収録のTerminal.appのほうが完成度では上 -- 日本語環境ではEUCが前提など古さはあるが -- と考えていたが、今度のLeopardでようやく追いつき追い越すことができたように思える。

まず、表示速度が改善された。CoreText APIの使用により文字レイアウトの所要時間が短縮、それが新しいTerminalのクイックレスポンスに貢献しているというのだ。実際、PowerMac G5 2.0GHz×2のマシンを利用し、TigerとLeopardのTerminalで英辞郎の辞書ファイル(SJIS、約64MB)を「time cat EIJIRO52.txt」として出力にかかる時間を測定したところ、Tigerでは7分14.3秒、Leopardでは33.1秒という桁違いの結果を得られた。このように巨大なテキストを扱うことはレアケースとしても、足腰の強化が操作感に影響してくることは確実だ。

タブに対応したことも、進化の方向性としては正しいように思える。これまでもサードパーティー製ターミナルエミュレータ「iTerminal」により実現されていた機能だが、レスポンスの鈍さから結局はTerminal.appを選んでいたユーザは筆者だけではないはず。画面の背景を好みのデザインに変更できるようになったことはAppleの遊び心として、タブのサポートはGNU Screenの宣伝よりもMacユーザにとって現実的だろう。

今度の「Terminal」はタブに対応。テーマも任意のものを指定できる

開いている全ウインドウを統合 / タブ化する機能も追加された