もう1つは、Cellプロセッサを2基搭載したデュアルコア1Uコンピュータシステム、その名もズバリ「1U Dual Cell-Based System」だ。

1U Dual Cell-Based System。フロントサイズは1Uだが、大きさはW43.5cm×H4.4cm×D76.2cmあり、奥行きが大きい

2基のCellプロセッサは専用コヒーレント・インタフェースで接続され、その帯域は20GB/sec。それぞれのCellプロセッサにはメインメモリとして512MBのXDR DRAMとギガビット・イーサネット・ポートが接続される。外部記憶装置となるIDEハードディスクは2基のCellプロセッサで共有される形で実装される。PS3のグラフィックスプロセッサである「RSX」はこのシステムでは搭載されない。

Cellプロセッサのブロックダイアグラム。もう1基のCellプロセッサとはCoherent Interface経由で接続する

1U Dual Cell-Based Systemの簡略化したシステムブロック図。サウスブリッジとメインメモリはそれぞれのCellプロセッサに1個ずつ接続される。ただし、シリアルポートは片側のサウスブリッジのみに用意される

なお、プログラミング環境は、前出の「MultiCore Plus SDK」の1U Dual Cell-Based System対応版が提供される(別売)。

価格はUS$13,000(約156万円)で、9月より本格出荷がなされる予定。

ブースの一角では1U Dual Cell-Based Systemに対応した業務用地質学プリケーションソフト「Avzio4」を公開。Avizo4は様々な測定データをベースに地層を可視化して表示させることの出来るソフトウェアで、主に石油、天然ガスの埋蔵箇所などを予測する目的などに活用されている。デモでは2GBの地層データセットを可視化させる様子をリアルタイム公開。「1U Dual Cell-Based Systemであれば、インテルのCore 2 DuoプロセッサベースのPCの20倍高速である」(担当者)とのことで、本気のポテンシャルの高さをアピールしていた。

ブースでは1U Dual Cell-Based Systemに対応した業務用プリケーションソフト「Avzio4」をデモ