マイクロソフトブース~空中で操作できる新感覚ポインティングデバイス「SOAP」を発表
マイクロソフトは、時々変わったPCコントローラを世に送り出すことがある。古くは傾きセンサー付きのジョイパッド「SideWinder Free Style Pro」(1998年)、キーボードの変わりをする左手ゲームコントローラ「SideWinder Strategic Commander」(2000年)など挙げればきりがなく、どれも一発屋で短命な商品であった。ただし「SideWinder Free Style Pro」は、その発想がWiiやPS3コントローラに受け継がれているし、もしかすると時代を先取りしすぎていたために受け入れられなかったのかもしれない……。
と、現在開発中のこの「SOAP」もまさに、そんな時代を先取りしすぎた感が漂うなにやら怪しげなコントローラだ。
SOAPの開発コンセプトは、机無しでマウスと同等の操作を行えるようにすること。
ぬいぐるみの表面のような手になじむ生地でできた布袋の中に小型の堅いカプセルが入っていて、ユーザーはこれを片手で握り、親指で布をスライドさせるような感じで動かす。
指で布を動かすと、その動かした方に布はキャタピラのように回転することになる。
中のカプセルは光学マウスとほぼ同じような仕組みになっており、この布の動きは光学マウスのアナログ入力と同じように解釈されてPC側へ入力される。
開発者のマイクロソフト、Research Scientist,Adaptive Systems Interaction Focus,Patrick Baudisch氏はいう。
「試作品は光学マウスを分解して基板を小型の容器に入れ、それを布の袋に入れて作った。容器は小さいハンドソープのが最高なんだ。」
イメージ的には光学マウスのコアを布袋に入れたような感じだ。ボタン入力は、このSOAPを握ることで行う。試作品はシングルボタンのタイプと、マウスボタンの右ボタンに相当するボタンをSOAPの側面に取り付けたタイプの2パターンが用意されていた。
もちろん接続はワイヤレス。今はワイヤレスマウスも珍しくないので当然といえば当然だろう。
想定活用シーンはビデオウォールやプロジェクタ画面のような大画面の前に立って操作するような場合など。机のような台を必要とせずに滑らかなマウス操作ができるとしている。
また、ゲームコントローラとしても最高だとBaudisch氏は主張する。一人称シューティングゲームにおいて、照準をマウスよりも俊敏に動かすことができ、慣れれば狙いも定めやすい、とのこと。
実際に触ってみるとツルツルした石が中に入った袋を触っているような感触で心地がよい。かわいいデザインにして出せば、マウスに変わる「癒し系」PC入力装置として人気を博すようになるかもしれない。
(トライゼット西川善司)