いいカメラだからこそ要望もある
E-510を試して、少々考え込んでしまった。もちろんいいカメラである。手ブレ補正も効いている。しかし、それ以外はE-410さほど変わらない。
E-410はキャラクターがちゃんとできている。ちょっと懐かしい薄型のボディと段違いの軽さ。気軽に持ち歩けるし、スナップ撮影によく似合うだろう。対してE-510は、ごく普通のスタイルで、手ブレ補正以外はE-410とほぼ同じ性能。それでいて実勢価格は3万円ほど高い。"手ブレ補正で3万円かぁ"と思ってしまうのだ。別に3万円が高いという話ではない。例えばしっかりしたグリップなのだから、望遠やスポーツ撮影を想定して連写速度を上げるとか、AFポイントを増やすとかできなかったのだろうか。画像を変更する「仕上がり」には新しいアイデアが盛り込めなかったのだろうか。
というものの、E-410をアタマから追い払えば、とても良いカメラだと思う。手ブレ補正付きでもっとも軽く、高性能なゴミ取り機構も付いている。使いやすいし、ライブビューだってできる。E-510のオーナーの幸せは疑いようがない。
マクロレンズにて撮影。花粉のひとつずつまで見えそうだ。それでも全体としてガチガチに硬くないのがいい。 |
広角ズームで撮影。奥行きのある絵になったが、VIVIDで撮影したためか、赤が浮いてしまった。 |
標準レンズのワイド端で撮影。ウサギの像のリアリティがすごい。 |
木洩れ日が落ちる白いベンチ。ちょっと緑が浮きぎみだが、何とかバランスさせている。 |
暑い日。犬は日陰でお休み。毛並みの軟らかさがそのまま写し取れた。 |
無造作に置かれた出前のバイク。年季を感じる。 |
花を撮影していたらミツバチがやってきた。羽根の薄さが見える。ボケもいい。 |
150mmの望遠で撮影。若干像はゆるいが、ブレてないのは手ブレ補正のおかげか。 |
もらわれてきたばかりの猫は、パソコンの裏に逃げ込んで心細そう。 |
夕暮れ。少し赤みを乗せたが、もっと思い切ったほうがよかったかもしれない。 |
テスト撮影:川上卓也(Mediart)
作例撮影:加藤真貴子(WINDY Co.)
レポート:西尾 淳(WINDY Co.)