効果の高いボディ内手ブレ補正システム
E-510の手ブレ補正機構は、センサーが感知したブレに対し、X軸(ボディに対して横方向)とY軸を独立した超音波モーターで駆動し、ブレを打ち消すというもの。構造としてはソニーα100の方式に近い。また、E-510の手ブレ補正は上下左右の全方向を補正する「I.S. 1」と、流し撮り用に上下方向のぶれのみを補正する「I.S. 2」の2つのモードを備えている。しかし「I.S. 2」はX軸方向の動きを止めるものなので、縦位置での横方向の流し撮りには適さない。
補正効果は最大で約4段とのこと。補正のオン/オフを繰り返して試してみたところ、だいたい2段強の補正効果が確認できた。キヤノンやニコンの手ブレ補正レンズ、ソニーのα100などに比べて飛び抜けてよいというわけではないが、望遠(実焦点距離105mm)でほぼ同じ程度、標準(同35m)では他より少しいいという傾向にあった。オリンパス初となる手ブレ補正機構としては非常によくできていると思う。
また、フォーサーズの手ブレ補正レンズとしては、パナソニックから「LEICA 14-50mm F2.8-3.5」が先に登場している。E-510でこのレンズを使えばダブルで補正が働くことになる。しかし、補正効果が倍になるということはなく、ボディとレンズの両方をオンにしても、ボディ側のみオンの状態とほぼ変わらなかった。メーカーに聞いたところ、ボディ側オン、レンズ側オフが推奨で、両方オンの場合はボディ側が優先して働くとのこと。
ライブビューは便利。だからこそ要望も多くなる
E-330から始まったライブビューは、いまやフォーサーズの標準機能になりつつあるようだ。E-510のライブビューは、E-410のそれと同じシステム。撮影用の撮像素子を使い、背面の液晶に像を表示する。ピント確認のために10倍まで表示が拡大できる。E-410のインプレッションでも述べたが、このライブビューはとてもよい機能だと思う。
ただ、オートフォーカスの際にいったんミラーが下がって合焦するため、カシャカシャと動くのがどうにも気になる。かといって「EOS-1D Mark III」や「FinePix S5 Pro」のように、ライブビューはマニュアルフォーカスのみというのもこのクラスでは少々乱暴だ。たとえばライブビューでは、コンパクトカメラのようなコントラスト検出方式を使うというわけにいかないのだろうか。一眼レフの位相差式に比べて合焦は遅くはなるが、ライブビューなら多少時間がかかってもかまわないのではないか。
手ブレ補正機構は、もちろんライブビューでも有効になる。ライブビューのままカメラをぶるぶる震わせると、一瞬おいてモニターの像がスッと動かなくなる。ちょっと感動的だ。
多少のムラはあるが、総じて快適なAF性能
通常撮影時のオートフォーカス性能もいつものように調べてみた(下図参照)。EV5の明るさで平均1.1秒、EV1で平均1.8秒だった。これはE-410より少し良い成績だが、若干ムラが感じられた。同じターゲットでも速いときと遅いときがある。ちょっと前のオリンパスのオートフォーカスに戻ったようだ。といってもその差はわずか。トータルではほぼ同じとしていいだろう。
AFフレーム(合焦ポイント)は中央横並びに3ヶ所のみ。E-500のころは安いカメラという印象もあり、"3点測距でもそれほど困らない"と納得していたが、E-510は10万円を超えてしまった。そうなるとD80あたりと比べるわけで、AFフレーム3ヶ所は貧相にみえる。他を見回してもAFフレーム3ヶ所なのは激安な「D40」くらい。そろそろなんとかしてほしいと思う。
ファインダー(光学)は狭い。実測したところ、対角で約18.9度だった。E-410とほぼ同じだが、絶対的には狭く、見やすいとはいえない。オプションのマグニファイアーを手に入れたほうがいいだろう。