わかりやすい素直な作り
操作性を見ていこう。ボディは非常にコンパクト。小さな手の女性でも手に余ることはない。しかしグリップとレンズの間も十分にスペースがあり、男性の手でも指が収まらないといったことはないだろう。露出補正は露出補正ボタンを押しながら、コントロールダイヤルを回す一般的な方式。露出補正ボタンは突出したグリップ上に置かれ、E-410のような窮屈な思いはしないですむ。
ボタン類も一般的なもので迷うことは少ないはず。おもしろいのはE-410で省略されたボタンが復活していること。E-410と比べて「ISボタン(手ブレ補正)」が加えられているのは当然としても、「AFフレームボタン」「Fnボタン」や、十字ボタンからの機能呼び出しが増えている。E-410の時にはスーパーコンパネが使いやすいのでボタンを減らしてもかまわないと思ったが、やはり直接機能を呼び出したほうがいいということだろうか。E-410はできるだけシンプルな外観を目指したのかもしれない。
多くの機能をわかりやすく提供するスーパーコンパネ
液晶モニターに撮影情報を常時表示する「スーパーコンパネ」は健在。デザインもE-410とほぼ同じで、黒地に白(青)抜き文字の見やすいもの。些細な点だが、文字の色がE-410に比べて少しマゼンタがかったようだ。
「コンパネ」とは"コントロールパネル"の略なのだが、その名のとおり、スーパーコンパネから撮影に必要なほとんどの機能がすぐさま設定できる。「OKボタン」を押し、項目を選んでコントロールダイヤルを回せばその場で設定が変わるし、再度OKボタンを押せば、変更できる項目の一覧に切り替わる。いずれも決定のために他のボタンを押す必要はなく、選択したらすぐさまレリーズに移行できるのがいい。むしろ操作が簡単すぎて他の項目をいじってしまいそうだが、そこはスーパーコンパネ、すべて一覧で表示されるので確認も簡単にできる。
個人的に、カメラは操作性のかたまりだと思っている。特にデジタル一眼レフでは、操作・設定しなければならない項目が非常に多く、各メーカーとも独自の操作体系を考え出しているが、「これが正解」という答えは見つかっていない。それでも、初心者にもわかりやすく、慣れても煩わしくない、デジタルと従来からの撮影機能の融合といった意味で考えると、オリンパスのスーパーコンパネと、ソニーα100のファンクションダイヤルは、非常に完成度が高いと感じている。
コンパクトな新望遠レンズ
E-510が使用するバッテリーは、E-500と同じ「BLM-1」。1500mAhの容量があり、フル充電で約650枚の撮影が可能だ。ちなみにE-410は小型の「BLS-1」(1150mAh)を使用し、約500枚の撮影枚数となる。
標準(セット販売)で組み合わせられるレンズは「ED 14-42mm F3.5-5.6」と「ED 40-150mm F4.0-5.6」。標準ズームのED 14-42mmはE-410でも試してみたが、望遠のED 40-150mは今回初試用。特長はなんといってもコンパクトなこと。先代ともいえる「40-150mm F3.5-4.5」は重さ425gなのに対し、ED 40-150mmは220gしかない。レンズを装着する際、レンズに書かれた焦点距離を確かめないと14-42mmと間違えるほどだ。
ED 40-150mmの描写は比較的軟らかいもの。望遠ということもあって周辺の収差はほとんど気にならない。ただ、開放でF4.0-5.6という比較的暗めのレンズのためか、オートフォーカスが迷うことが何度もあった。
また、Eシリーズに「OMアダプター MF-1」(16,800円)を使用すると、オリンパスのOMレンズが装着できる。往年のレンズをE-510で楽しめるわけで、これは楽しそうだ。しかし残念なことに、E-510の手ブレ補正機構は使えない。手ブレ補正には焦点距離情報が必要だが、OMレンズからはそれが拾えないためらしい。ペンタックスのように手動でいいから使えるようにしてほしかった。