オリンパス E-510 実写インプレッション

オリンパスの新しいデジタル一眼レフカメラ「E-510」に触ることができた。オリンパス初のボディ内手ブレ補正機構を搭載した記念すべきモデルである。このインプレッションをお届けしよう。E-510は本体の単体発売のほか、標準ズームレンズ「ED 14-42mm F3.5-5.6」をセットにした「レンズキット」、さらに望遠ズームの「ED 40-150mm F4.0-5.6」も加えた「Wレンズキット」の3種が発売されている。価格はすべてオープンだが、マイコミジャーナル 価格情報による平均価格は、順に105,969円、115,511円、平均129,912円となっている(7月11日現在、税込)。

E-410とのキャラクター分け

オリンパス「E-510」は、フォーサーズ規格に則ったデジタル一眼レフ。ターゲットは初心者から中級者で、コンパクトなボディと有効1000万画素の撮像素子をもつ。最大の特長は、オリンパスとして初の手ブレ補正機構をボディ内に搭載することだ。

E-510に先立って4月下旬に発売されたのが「E-410」だが、こちらは薄型・超軽量ボディを特長にしている。対してE-510はスタンダードなグリップと手ブレ補正機構を搭載。ほぼ同じ性能をもつE-410とE-510は、小型ボディか、手ブレ補正か、という棲み分けがなされたわけだ。ちなみにE-510はE-410の2ヶ月後に発売されたが、これは手ブレ補正機構のためだと思われる。また、オリンパスはE-510、E-410の上位機として、プロ用機「E-1」の後継モデルを2007年内に発売すると発表している。細かな仕様や価格は公表されていないが、これも楽しみである。

もうひとつ、時系列で考えるとE-510は「E-500」の後継機にあたる。E-500は2005年11月に発売されたスタンダードな形状の一眼レフだが、本体重量435gという、当時の世界最軽量を誇っていた(レンズ交換式デジタル一眼レフとして)。E-510はそれより重く、本体重量は470gとなった。軽さはE-410にまかせ(本体重量375g)、E-510は手ブレ補正機構という性能を選んだわけだ。

ゴミ取り機構やライブビューなどのデバイス満載

E-510の有効画素数は1000万画素ちょうど。撮像素子は「Live MOSセンサー」と呼ばれるもので、構造はCMOSに近く、画素ごとにスイッチング回路を持つ。しかし制御用配線をCCDと同じ2本にすることなどで、受光面積をCMOSの約3倍に拡大でき、広いダイナミックレンジと低ノイズを可能にしたという。

E-510は、この撮像素子によりライブビューを可能にしている。撮像素子に写る像をリアルタイムで液晶モニターに表示し、両目でフレーミングできる機能だ。コンパクトカメラではおなじみとはいえ、一眼レフでこれを可能にしているのはまだ小数派だ。

液晶モニターには2.5型約23万画素の半透過型TFTカラー液晶を使用する。"大型"というには一般的になってしまったが、E-510のボディにはほぼ限界ともいえるサイズだ。視野角は上下左右176度と広く、ハイアングル・ローアングル撮影でも非常に見やすい。

オリンパスのスタンダードともなりつつあるゴミ取り機構「ダストリダクション」も当然装備する。超音波振動で撮像面に着いたゴミを振り落とす機構だが、E-510(およびE-410)ではユニットが小型化され、振動数もアップしたという。現在のところ、超音波式のゴミ取り機構を搭載するのはオリンパスとキヤノン(一部モデル)だけだ。

そのほか、E-510のスペックは現在の標準的なもの。連写は最高で秒3コマ、連続撮影枚数はJPEGで12コマ以上、RAWでは8コマとなる。測光は7×7の49分割測光センサーを使用。撮像感度はISO 100～1600で、オートも可能。ホワイトバランスはオートでも微調整が可能なタイプとなっている。また「ポートレート」「風景」といった簡単撮影モードに加え、「夕日」「花火」などの具体的な被写体に合わせた「シーンモード」も選択できる。