「Windows Mobile 5」から「Windows Mobile 6」への変更
ソフトウェア面でのもっとも大きな変更点は、もちろん「Windows Mobile 6」の搭載であろう。「Windows Mobile 6」は大きく分けて3種のエディションが用意されている。「Classic Edition」「Standard Edition」「Professional Edition」だ。「Advanced/W-ZERO3 [es]」には、この中で「Classic Edition」が搭載されている。「Classic Edition」は、ユーザーインタフェース的にみて「Windows Mobile 5」にもっとも近いもので、操作上では大きな違いはないといっていい。これまでのアプリケーションも多くは動作すると考えられるが、バージョンの違いによって影響を受けるものもありうる。
ワイド化により大きくなった液晶とアプリケーション
Advanced/W-ZERO3 [es]は、800×480ドットのワイド液晶を搭載している。液晶は極めて精細で、美しいものだが、サイズがこれまでのVGAよりも横方向に広くなっている。そのため、画面サイズをVGA(640×480ドット)で固定しているアプリケーションは画面が乱れる可能性が考えられる。何点かのフリーウェアを試してみたが、キーマップを変換するなど、機種依存度がそもそも高いもの以外は、正常に動作するものが多く、これまで培われてきたアプリケーションの資産価値を著しく損なう、といった可能性は低いと思われる。
W-ZERO3シリーズの中で、特にW-ZERO3 [es]は、使いやすくするためのツールを多くのソフトウェア作家の方々により数多く供給していただいている。ツールを愛用されている方は、これを機会に動作報告や謝辞を各ソフトウェア作家に送ることも考えていただ きたいと思う。
「Advanced/W-ZERO3 [es]」は薄く、軽く、細くなり、「W-ZERO3 [es]」にはなかった無線LANを内蔵していながら、これまで以上にハンドリングが良くなっている。無論、省略や変更が残念に感じる向きもあるだろうが、通話+データ通信を多用するユーザーには、機種変更する意欲を沸かせるには、充分な素地を持っている端末といえよう。19日の発売が楽しみである。
なお、繰り返しになるが、本稿で試用した端末は、製品発売前のエンジニアリングサンプルであり、製品版では仕様変更が行われる可能性もある。この点には注意してほしい。