3代目MacBook Proは、Intel 965シリーズのモバイル版「Intel Centrino Duoプロセッサ・テクノロジー」をベースに採用。Santa Rosaのコードネームで知られるこのプラットフォームは、Centrino(Napa)の次世代版に位置づけられ、64bitアーキテクチャーを持つMeromへの対応を強化すべく、さまざまな改良が施されている。
ただし、3代目MacBook Proの場合はあくまで"Santa Rosaベース"であり、これまでIntelが発表してきたSanta Rosaのスペックをそのまま適用できない点には注意を要する。
いわゆるSanta Rosaは、CPUに「Merom」、チップセットに「Crestine」、無線LANに「Kedron」のコンポーネントで構成。このうち前2者は、MeromコアのCore 2 Duo T7700(2.4GHz)とT7500(2.2GHz)、Intel PM965 Expressとして3代目MacBook Pro(Meromコアは2代目から)に採用されているが、無線LANにはアップルが独自に選定したIEEE 802.11n対応チップを採用。またCrestineにはDirectX 10世代のGPUが搭載されるが、3代目MacBook ProにはNVIDIA GeForce 8600M GTが搭載されている。必須とされる3つのコンポーネントのうち2つが特別仕様であることが、"Santa Rosaベース"とされる理由だ。
Santa Rosaの目玉機能「Intel Turbo Memory」は、搭載されていない。アプリケーションの起動高速化や省電力の効果が期待できるこのディスクキャッシュ技術は、OS非依存ながら実際に動作するのはWindows Vistaのみ。3代目MacBook Proで見送られたということは、Santa Rosa以外のプラットフォームでも動作するMac OS Xにとって、継続的にサポートする必要性に乏しいと判断したためだろうか。
デュアルコアCPU搭載機でシングルスレッド対応アプリケーションを実行しているとき、片方のコアを休止状態にしてもう一方のクロックを上げるIntel Dynamic Acceleration(IDA)も、後述するベンチマークソフト「GeekBench」の結果から判断するかぎり、搭載されていないようだ。Core 2 Duo T7700の場合、IDAの効果により片方のコアは約200MHzプラスの2.6GHzで動作するはずだが、そのような速度向上は確認できなかった。もっとも、Mac OS Xのアプリケーション / サービスの多くはデュアルスレッド化されているため、IDAのメリットはそれほど期待できないだろうが……。