今度のMacBook Proは、Intel製プロセッサに移行してから3代目。外観は初代から大きく変わらないが、注意して見るといくつかの点で大きな変化が認められる。
1つは、15インチモデルの液晶モニタがLEDバックライト化されたこと。従来の冷陰極管方式(CCFL、Cold Cathode Fluorescent Lamp)に比べ30~40%ほど消費電力が低いとされるLED方式は、バッテリーの保ちを長くする効果が期待できるほか、水銀を使わないことによる環境負荷の低さの点で優位性がある。Appleは今後LEDバックライトの採用を進めるとのことで、この3代目MacBook Proが"水銀フリー液晶"の嚆矢となるわけだ。
LEDバックライトモニタは、バッテリーの保ちのよさと環境に優しいだけがとりえではない。CCFLに比べ薄く、軽いことも利点の1つだ。実際、LEDバックライトモニタを採用した15インチモデルの場合、高さは25.9mmと2代目MacBook Proから変化はない(天板の厚さも変わらず)ものの、重量は2.54kgから2.45kgへと若干だが軽くなった。17インチモデルは2代目・3代目とも3.08kgという事実と照らし合わせてみると、わずか90グラムではあるが軽量化に貢献している。
2代目MacBook ProのCCFLモニタと並べて見ると、3代目のモニタは確かに明るく感じられる(ディスプレイプロファイルは初期設定の「カラーLCD」のまま変更なし)。電源投入直後に目に入るグレーの画面、システムを起動して最初に映る青いデスクトップ、どちらも最大輝度では目にキツく感じられ、1~2段階落とすとちょうどいいレベル。写真を表示すると、全体的に鮮やかさが増したようで、特に黄色がより黄色く感じられた。ISO感度が低い写真はより強くザラつきが感じられる傾向もあるなど、従来のCCFLモニタと同じ感覚では使えない場面もありそうだ。
モニタといえば、17インチモデルにはBTOオプションで1,920×1,200ピクセル(WUXGA)の液晶モニタが用意される。従来どおりのCCFL方式だが、デフォルトの1,680×1,050ピクセル(WSXGA+)に比較すると1画面あたりの情報量は格段に多い。ピクセルベースのデータは作業域が約3割増すことになるため、プログラマのようにテキスト主体の作業を行うユーザはともかく、グラフィック系のユーザには有力な選択肢となるはずだ。