写真の面白さを再確認させてくれるマニュアル操作と24mmレンズ
マニュアル操作重視のGX100は、自分の意図を反映させやすいので作品志向が強い人にオススメのカメラだ。使い勝手はもちろん、画質もほかのコンパクトデジカメとは一線を画したもので、撮影の楽しさや描写力を追求したところがいい。
GX100は撮影してみると、デジタル一眼レフカメラより銀塩マニュアルカメラに近いと思う。液晶性能はそれほど高くないのだけど、そのため撮った画像をパソコンのモニターで確認するときに驚きや発見がたくさんあった。そのあたりもフィルムの感覚に近いと思った。気に入った被写体は露出などの設定を変えて撮影するとよいだろう。
広角24mmの超広角撮影もいい。フィルムカメラのころからレンズにこだわってきたリコー。GX100でもイヤな色にじみなどはほとんど見られず、描写力も高い。安心して超広角撮影が楽しめる。手ブレ補正が搭載されたことで、低感度でも手持ち撮影の機会が増えた。絞り優先AEやマニュアルでの撮影は、試行錯誤も多いけれど、そこが撮影の醍醐味であり、写真の面白さの原点だと思う。GX100はカメラに愛着が持て、噛めば噛むほど味の出てくるスルメのようなカメラだと思った。
動いているエスカレーターで撮影。1/28秒でもブレは起きなかった。緑かぶりしやすい地下鉄のホームだが、ホワイトバランスをオートで見た目どおりの色が出た |
画角が広いので被写体の周りにある電灯や桟橋が入り、情報を多く写すことができる |
ヒストグラムも使った色乗りの良い画像。空の色も抜けがよく、見ていて気持ちがいい |
広角24mmを活かし、パースが強調されるように撮影。通常のコンパクトデジタルカメラでは撮ることのできない絵 |
マクロ撮影。ワイド端で撮影距離ギリギリまで近づいて撮影。蕊の渦までしっかり描写され、ボケ味も色にじみが少なくキレイ |
逆光の八重桜を通常撮影。中央重点測光に設定することで、ガクや葉の色がキレイに出た |
ノーファインダーでマクロ撮影。不自然な状態でも手ブレ補正が付いていると安心して撮影できる |
肘をついていた状態の手持ち撮影。1/7秒でもブレなかった |
落ち着きのない犬を撮影。かなり動いていたのだが、きちんと目にフォーカスがきている。ホワイトバランスを曇天にしたら赤みの強い絵になってしまった |
鉄塔を中央重点で測光して撮影。空の雲間から差し込む光を表現してみた |
撮影・レポート:加藤真貴子(WINDY Co.)