カスタムの自由度が高い操作系
リコーのホームページを見ると、GX100とGRはプロフェッショナル向けカメラに位置づけられている。それもあって、操作性は一眼レフを使っている人でも戸惑わない。シャッター速度優先は使えないけれど、絞り優先AEが使えるのがいい。絞りはシャッターの前にある「アップダウンダイヤル」で、露出補正は十字キーの▲▼ボタンだ。
ボタン類が適度に少ないのもいい。やたら多いボタンは機能を覚えるだけで大変。その代わりというわけではないだろうけど、カスタマイズの自由度が高い。よく使う機能を「ADJ.レバー」に4種類、ファンクションボタンに1種類の機能が登録できる。たとえばADJ.レバーにはISO感度/ホワイトバランス/画質/画像設定を、ファンクションにはAEロックを割り当てるといった使い方ができる。撮影の仕方は十人十色。サブカメラとして使う場合、普段使っている一眼レフに操作性を近づけられるのがいいと思った。
ボディはGRに似ているが、大きな違いはレンズ保護。GRは自動のレンズバリアだが、GX100はレンズキャップ式。大きなレンズなので自動バリヤは無理なのかもしれないけど、何度もレンズキャップを付けたまま電源を入れ、「レンズキャップを外してください」とメッセージを出してしまった。この点はGRがちょっとうらやましかった。
単焦点レンズのように使えるステップアップズーム
メニュー操作も戸惑う部分が少なく、使いやすく感じた。GRと比べたところ、変更点はズームの設定ぐらいだった。GRの操作性の評判が良かったのだろう。
撮影時にはシャッターを半押ししたとき、絞り値とシャッタースピードが表示され、手ブレがおきやすい状況を警告してくれるのが便利。ちょっとうるさいかもしれないけど、個人的には詳細と格子の同時表示をできるようにしてほしい。
おもしろいと思ったのは、ズームの焦点距離を5段で刻むステップアップズーム機能。ステップアップズームをONにするといわゆるズームではなく、単焦点レンズを付けかえながら撮影している感覚になる。三脚を使ったマクロ撮影など、細かな焦点距離調整が必要な場合は使えないけども、スナップ撮影などではとても便利。これはいいと思った。
コンパクトなサイズだけど、GX100は基本的にマニュアル志向。絞りの調整で被写界深度も自由になるし、いざとなればフルマニュアルでも撮影できる。もちろん一眼レフ+明るいレンズほど自由ではないけど、川や滝の流れをきれいに撮ったり、開けてボケを大きくしたりと、幅広い撮影ができる。インスピレーションをかき立てるカメラだと思った。
レンズキャップを外さず起動すると警告画面が出る。何度もこの警告を出してしまった |
撮影メニュー画面。比較的シンプルでわかりやすい |
ファンクションボタンに機能を割り当てる。露出補正が便利そう |
「ADJ.レバー」には4種類の機能が登録できる。登録できる機能は露出補正、ホワイトバランス、ISO、画質、フォーカス、画像設定、測光方式、連写、オートブラケット、音声付き |