消費電力

NVIIDAは、GeForce 8800 Ultraのリリースにおいて、リビジョンアップによるコアの最適化で消費電力も下がったとしている。リリース発表での数値は先に示したが、しかし、評価機で実際に計測したところ、あまり期待したほどの数値は計測できなかった。

今回、3DMark06のテストの中でも消費電力が大きいFeature Test内の"Pixel Shader"で計測してみたが、それぞれピークを見てみるとシングルGPUではGeForce 8880 Ultraが320W、GeForce 8800 GTXが315W、SLI時ではGeForce 8800 Ultraが560W、GeForce 8800 GTXが480Wという結果となった。とりあえず電源選びで重要なのはピーク時の消費電力。少なくとも大容量な電源は必須である。

明るい結果も示しておこう。3DMark06計測時に、開始時と終了時のGPU温度をnTuneから計測してみた。GeForce 8800 Ultraは開始時65度、終了時75度。GeForce 8800 GTXは開始時75度、終了時87度という結果。評価機という性格上、GeForce 8800 GTXの方は写真撮影用に冷却システムを何度か取り外され、その結果ヒートシンクとコアとの密着度が減っているという可能性はある。ただ、開始時で10度以上の差、そして上昇具合で見てもGeForce 8800 Ultraの方が、発熱が少ないという結果が出たことは、コアのリビジョンアップの効果、新型冷却システムの効率アップという2つの可能性を示唆している。

まとめ

GeForce 8800 Ultraの価格帯はNVIDIAの想定で829ドルからのライン。初値も考えれば10万円超となるのは必至だ。一方、GeForce 8800 GTXは現在NVIDIA想定で599~649ドルラインとなっている。価格差で見ると約3割アップ、性能では(高解像度・高画質環境下という条件で)約1割アップという感じだ。わずかでも高いFPSを、と望むエンスージアストのみがターゲットという性格の製品だろう。これについての判断は各ユーザーに任せるしかない。

また、現在GeForce 8800 GTXを搭載した製品では、リファレンスクーラーを脱し、オリジナルの冷却システムを搭載した製品が出てきた。中にはMSIやASUSTeKなど、水冷システムを搭載したオーバークロック製品(ともにほぼUltraに匹敵するコア/メモリクロックだ)も10万円前後で登場している。これら独自のオーバークロック版とGeForce 8800 Ultraとの違いは、1つ目は独自のオーバークロック版であることだが、2つ目としてシェーダークロックの違いがあるかもしれない。GeForce 8800 Ultraのシェーダークロックは1500MHzと公開されているが、カードベンダーのオーバークロック版では、シェーダークロックは非公開だ。コアのオーバークロック分に相応してシェーダーもオーバークロックされているのか、不確定だが、ここがポイントとなる可能性も残されている。