撮影シーンが広がる5倍ズームと生活防水

μ780はコンパクトなボディながら、光学5倍ズームを搭載している。このクラスの標準的なズーム倍率は3倍。しかし3倍では、場所の移動が制限される結婚式や子どもの発表会などの場面では、「あと一歩近づきたい!」というジレンマが起きる場合がよくある。しかし5倍ズームがあれば、カメラがもう一歩分を近づけてくれる。小さな違いだけども、ズームの便利さがわかる5倍ズームだと思う。

それとズーム倍率が大きいと撮影シーンが広がるので、ついついカメラを持って出かけたくなってしまう。5倍ズームを搭載しても、気軽に持ち歩けるコンパクトなサイズを評価したい。気になった点は撮影時に撮影倍率が表示されないこと。倍率表示は撮影に直接関係しないが、焦点距離を割り出すのには必要だ。それがわかると画角やパースのつき具合の目安になるので、倍率は表示して欲しいと思った。

焦点距離やホワイトバランスの違いを比較しながら撮影できる「パーフェクトショットプレビュー」機能は、撮影後の撮影効果を比較しながら設定できユニークだと思った。カメラのマニュアルを読むのが苦手な人には役に立つだろう。

μシリーズの特徴のひとつに生活防水設計がある。μ770SWとμ725SWは水中撮影が可能だが、それ以外のμシリーズでもJIS保護等級4相当の生活防水設計が施されている。JIS保護等級4相当の生活防水とは、ボディーやマイク、スピーカーにいたるまで、あらゆる方向からの水の飛まつを受けても、カメラに影響がないことを示す。生活防水設計が施されているとはいえ、デジタルカメラは精密機械なので水しぶきや塩分を含む海水が付いた場合はきちんとふき取るなど、最低限のメンテナンスはするべき。生活防水設計とは、雨の日やビーチの撮影でも神経質にならずに撮影するための機能だと考えよう。

実は、せっかくの防水機能なのだから、プールヘ行ってウオータースライダーで滑りながら撮影しようと思ったのだけど、プールの係員さんに止められてしまった。「カメラを落とすと危ないから」ということだったが、後で考えると、どうも最近流行の盗撮と間違えられたらしい。ちょっとショックだ。だけど防水は撮影の幅を広げてくれるし、多少の小雨でも安心して撮影できる。この防水機能だけでもμシリーズを買っていいかと思う。

GUIDEモードでは、露出やホワイトバランスなどを変えた画像を比較できる「パーフェクトショットプレビュー」機能が使える

ズーム効果の比較画像。4分割した画面で、撮影後のイメージを表示する

撮影画面。ズーム倍率が表示されないので、右のバーを目安に撮影する

ウォータースライダーにここまで近づいたところで止められてしまった。盗撮ではありませんから

36mm相当(ワイド端)
広い画角で周囲の状況がわかりやすい
SHQ(JPEG)
6.4mm(36mm相当)
ISO 80
プログラムAE、補正-0.7EV(F5、1/1000秒)
WB:晴天
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76mm相当(光学2.1倍)
ちょっと中途半端な構図になってしまった
SHQ(JPEG)
13.54mm(76mm相当)
ISO 80
プログラムAE、補正-0.7EV(F5、1/500秒)

WB:晴天
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180mm相当(光学5倍)
グッと被写体に近づくことができる
SHQ(JPEG)
32mm(180mm相当)
ISO 80
プログラムAE、補正-0.7EV(F6.3/500秒)
WB:晴天
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1008mm相当(光学5倍+デジタル5.6倍)
デジタルズームでは最大28倍になるが、画質は落ちる
SHQ(JPEG)
32mm(180mm相当)
ISO 80
プログラムAE、補正-0.7EV(F8、1/640秒)
WB:晴天
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