液晶モニターは23万画素、2.5型のもので、非常に見やすい。再生画像の拡大はD200の押して回す方式ではなく、十字キーの▲ボタンで拡大、▼ボタンで縮小となる。しかし表示位置を移動させるには、いったん再生ボタンでモードを切り換えてから再度十字キーを使わなければならない。D200が最良とは思わないが、S5 Proの方式もいまひとつに感じた。
戸惑ったのはメニューを開くのに「MENU」ボタンと「SETUP」ボタンのふたつがあること。撮影系は「MENU」、セットアップ系は「SETUP」なのだが、SETUPにも撮影やオートフォーカスの設定が含まれている。どちらを開けばいいのか迷ってしまうのだ。使っているうちにMENUはデジタル系が中心、SETUPはフィルム時代からの撮影・設定系が中心とわかってからは迷いも減ったが、わざわざボタンを分ける必要はなかったのではないか。決定の場合に「MENU/OK」ボタンを押すのもいまひとつ。
初心者向けカメラなら「すべてMENUから」としたほうがわかりやすいことも多い。しかしS5 Proはプロ機だから、そうとばかりは言えない。かといってデジタル系←→旧来の撮影系という分け方はどうかと思う。たとえば「もう少し明るく」撮りたいと考えた場合、それが露出補正による明るさなのか、コントラストやダイナミックレンジの変更による明るさなのかという判断が行なわれる。デジタル操作と旧来の操作とは同じレベルでできないと困るのではないか。たとえばデジタルはその場で像が確認できるから、適正露出を見つけやすい。ブラケット撮影の機会も少なくなるはず。だったらブラケットボタンの代わりに「フィルムシミュレーションボタン」を付けたほうがいいのではないか。すでにS5 Proは、そういった領域に踏み込んでいると思う。