富士フイルム「FinePix S5Pro」実写インプレッション

バッテリーの共用ができないのが残念

では使い勝手を見ていこう。といってもD200とほとんど同じなので、S5 Proの使い勝手が悪いはずがない。大型ボディ+独自ボタンだったS3 Proに比べれば雲泥の差だ。大部分のユーザーにとってコンパクトになったボディは好ましいはず。縦位置グリップが欲しいなら、ニコンD200の「マルチパワーバッテリーパックMB-D200」が使用できる。

露出やオートフォーカス、露出の設定など、撮影に関する部分はD200そのまま。ファインダーもD200同様に広い。合焦も快適。ただD200のボディそのままなので、たまにおかしな部分も現れる。たとえばD200は連写速度がCH/CLの2段階で切り換えられるが(CH=秒5コマ)、S5 Proもその機構をそのまま取り入れているため、最高でCH=秒3コマ、CL=秒1～2コマとなってしまう。これではほとんどCLの使い途がない。まあ、このあたりはご愛敬といったところか。

ただD200の軽快さを知っていると、ずいぶん処理などが遅く感じる。連写速度はしかたがないとしても、撮影から確認に移る際のレスポンスやメニューを設定してシャッター半押しで撮影状態にする場合など、ワンテンポ遅れる感じがある。実用上困るほどではないが、スタジオやじっくり撮影するのに向いているカメラなのだと認識してしまう。

バッテリーもD200に使われているものと同じ形状だが、残念ながら共用はできない。念のためS5 ProにD200のバッテリーを入れてみたが、電源オンで一瞬パネルが点灯し動くような素振りを見せるが、すぐにオフになってしまう。型式のチェックをしているのだろう。縦位置グリップ経由でも試してみたが結果は同じだった。共用できればニコン製カメラとS5 Proを併用するユーザーにはとてもありがたいと思うのだが。