Autodesk 構造設計向けソリューション最新情報のご紹介〜 構造BIMにおけるInformationの利活用で効率化を図る
次のセッションは、オートデスクによる『Autodesk 構造設計向けソリューション最新情報のご紹介〜 構造BIMにおけるInformationの利活用で効率化を図る』と題されたセミナーだ。登壇したオートデスク 技術営業本部の内藤聡氏は冒頭で、現状のBIMでは3Dモデリングとしての活用や従来型の設計フローによる運用、さまざまなCADやシステムとの連携など、シームレスな情報の連携と効果的な業務プロセスの最適化が必要となっていると述べた。一方で、オートデスクが提唱するIntegrated BIMでは、同社が提供する「Revit」を使うことで、3Dモデル技術と情報を融合した新たなワークフローや各種ソフトウェアとの統合連携、そして必要な情報の有効活用により、円滑な業務プロセスを実現するという。
次に、同社の「Revit」とユニオンシステムが提供する一貫構造計算ソフトウェア「Super Build/SS3」(以下「SS3」)との連携を行うアドイン「SS3 Link」では、「SS3」で入力したCSVデータを読み込んだり、逆に「Revit」から「SS3」入力用のCSVファイルとして書き出せるアプリケーションを紹介した。これは、Revitのユーザーが中心となって集まった団体である「Revitユーザーグループ」からのさまざまな意見を取り入れて開発しているとのことだ。主な機能として相互の読み込みに加えて、差分変換、変換部材指定、腹筋・幅止筋設定、RC断面リスト作とのマッピングテーブル共有化、マテリアルマッピングなどがある。
次に、同社が提供する「ST-Bridge Link」の紹介へと移った。これは、日本の建築構造分野にて一貫構造計算プログラムとの連携に重きを置いた標準フォーマットとして利用されている「ST-Bridge」フォーマットファイル(開発:buildingSMART Japan)と、オートデスクの「Revit」の連携を行うもので、ST-Bridgeデータを読み取りができる。 柱や間柱、梁などさまざまな部材を、Revit2017のモデルとして生成するインポート機能をはじめ、一括パラメータ追加機能および個別パラメータ追加機能が搭載されるほか、RUG構造テンプレートや柱脚ファミリが同梱されている。
最後に、BIMモデルを最大限活用するためには、コラボレーション・共通データ環境(以下、CDE)、施工の効率化・品質管理、ビジュアライゼーション・IoT・AI・VRが必須だが、特に重要なのがCDEだと内藤氏は断言した。これは、WebブラウザやiPad、iPhone、Android上でさまざまなBIMデータを活用しようというものだ。それを実現する製品群としてDocs、Design、Glue、Buildが含まれるコラボレーションツール「BIM 360」を紹介した。
このうち「BIM 360 Docs」のデモンストレーションでは、Webブラウザ上で「Revit」のデータを閲覧しながら、モデル内をウォークスルーしたり、任意の場所でカットして断面を閲覧したり、あるいは図面をクリックした場所をモデル上でハイライトする様子など、2次元と3次元が連動し、整合性が保たれている状態を披露して、セッションを締めくくった。