Failure is GOOD:チャレンジャーが語る失敗の本質

曽根氏:では最後に失敗の本質について、語っていただきたいと思います。

山川氏:失敗する機会を増やしたらいいと思います。スポーツでは、大きなケガをしたからこそ、成功したという話はよくありますよね。バネのように1回跳ねるために、1回落ちるとでもいいましょうか。同じことがビジネスでもたくさん起こってるのに、なかなか出てこない。

むしろ、失敗できる機会をいっぱい与えることこそが、失敗の成功例につながっていく。その失敗を当事者として味わってほしい。偉大な人たちの失敗を学べと多くの方が言っているけれども、自分が失敗した経験と、他人がこういう失敗したから教訓にしようっていうのは全然違うんですね。問題に対する被害者と受け取るのではなく、解決サイドの当事者であるというマインドセットを持つことは大事で、失敗も然り。

佐藤氏:5年程前、失敗について真剣に考える時期がありました。リーダーシップスクールに行った時、初めて「あなたたちにとっての失敗とはなんだ」と言われたのです。失敗とは、金銭面ではなく、患者さんや医療関係者が私たちに期待しなくなること。がっかりされて期待をしなくなることが失敗だと気づきました。

以来、期待されないこと外はかすり傷だから好きなことをしようと、散々失敗しまくっています。医療スタッフたちはロジックを全然考えてないのですが、失敗をOKとすると、ガンガンやってガンガン失敗して大きなイノベーションを起こすのです。だから私も失敗はグッドだと思います。

渡邉氏:私もここまでくるまでにかなり失敗しています。ただ、チームの中に楽観主義者が何人かいれば意外と乗り越えられるんですよね。自分もどちらかというと楽観主義者で、「失敗っていうけど、それ失敗じゃないじゃん」と。いつも楽観主義者でいようと常に思っています。

平岡氏:私はビジネスパーソンを取材する時、その人の生まれ年と社会人になった時の年を見るんです。このことは、先ほど山川さんがおっしゃった「成功までにはたくさんの紆余曲折がある」ということに関連しています。かつてのように経済が右肩上がりで伸びている時は成功し続ける道もありましたが、人生100年時代の今、しかも環境が激変しているとなると、勝ち続けることはできない。つまり、20~30代で失敗した人のほうが、その後、面白い人生を生きられる時代が少しずつだけど始まっているように思います。

ラジャ氏:われわれは、会社からお金を借りていろんなことを試しているので、失敗したら学んで取り戻さないといけません。「失敗したからやめちゃおう」はないんです。借りたお金を返さないといけないので、次のハードルを乗り越えて最終的に返すまでやらないといけないんです。

失敗して怒られたらどうしようと思っている若手や新しくメンバーに加わる社員にも、そう思ってもらえたらいいなと思いますね。

北嶋氏:職員を見てみても、ネガティブな人間はNOから入るけど、ポジティブな人間はYESから入る。ポジティブな人間は、ちょっとつまずいてもそれをひとつの失敗として、バネにしてどんどん努力していくんです。

ネガティブな人間は、やっぱり1つのことにその都度落ち込む。YESから入れば、少しくらいつまずいても、くよくよしない。失敗を糧にすればいいじゃないかって言い続けたいなっていうふうには思ってます。

以上が、「危機こそが最大のChance~Action trumps everything collaborating with やらまいか~」のトークセッションの内容となります。本稿を読んで、危機に対するマインドセットや失敗に対する考え方が変わった人もおられるでしょう。不確定な世界だからこそ、ぜひ“やらまいか精神”で臆せずチャレンジしてみようではありませんか。