チャレンジャーが語る「コロナ禍でのアクション」
曽根氏:2021年、新型コロナウイルスの影響によって新しい事業やスタートアップは相当な数が出てくるでしょう。そこで、皆さんはビジネスの中でどんなアクションをしているのか、お話いただけますでしょうか。
ラジャ氏:今年初めてワークフローをオープンにしました。これまで新しいことをやりたいとなると計画書を出して議論するので時間かかるのですが、今回はアクションファーストでトライしようということになりました。
佐藤氏:われわれはコロナ禍で北九州に新しい会社を作りました。最初の計画では、製造業にお勤めの方の生活習慣データを活用するビジネスを行う予定でした。
ただ、コロナ禍で、診療拠点病院にいる認定看護師さんたちが集まって会えなくなったという話を聞きました。400ある拠点病院で同じことが起こっているはずなので、そのときに「これはすごいチャンスだ」と思い、地域とオンラインをつなぐようなハイブリッドなコミュニティを作ろうと考えました。今まで会員登録や情報提供が面倒だと思っていた人からも、情報をとれるようになったんですね。
渡邉氏:信用金庫がこの拠点作ったというのも、多分誰も登ってない山だと思うんですよ。それをできたのはよかったことの1つです。
実は、同僚の辻村が社内で今回のイベントの趣旨を伝えたところ、「失敗ではなく“課題”にしてください」と言われたそうなんです。失敗を嫌うところがあるのが、うちの会社らしいなと思いました(笑)。
でも、ここは初めての部署だから「いや、失敗をもっと前に出しますよ」と突っぱねた。それで、今日このイベントを開催できたんで、小さな山を登ってますね(笑)。
FUSEはリアルに会う場所なので今のご時世に合ってないんですけど、山川さんから「実際に会っていろいろやるのも大事」だとうかがったので、このFUSEって正解なんだなっていう自信を持ちました。
山川氏:効率を上げることはオンラインでできるかもしれないけど、雰囲気や偶然の出会いはリアルな場でないとできない。新しい新規事業をすすめるにあたってブレストする際、100人でZoomでやり取りするのと、5人で現場でやり取りするのとでは、後者のほうが強い。新しい集まり方、新しいリアルな出会いの場をデザインすることは大事です。
渡邉氏:山川さんに市長と会っていただいた時、市長が失敗の大切さに共感してくれたと言っていましたね。浜松は「失敗できる街」になれるのかもしれないですね。
山川氏:失敗はしようと思ってもできない。失敗してやろうかなぐらいに思っていても、なんかうまくできちゃうことって結構ある。だからこそ失敗を証明するべきだし、失敗した時にみんなにシェアできる環境が必要です。ミスしたことを言える場を作る。ミスしたことを認めて、シェアして、みんなでそれを聞くっていうことは、絶対にwin-win。だって、次はその失敗を未然に防ぐことができるわけですから。
じゃあ、なぜそういうことが起こらないのかっていうと、まず自分が失敗を認めないから。あと、失敗を明らかにするという空気感がない。失敗したら罰せられてしまうし、二度といいイメージが戻ってこない。そういう議論に日本はなりがちです。
失敗したと言われたら、ため息をつくのではなく、むしろ「失敗してありがとう」です。皮肉っぽくなるかもしれないけど、そういうことをコツコツやっていく。あるいは、トップが「失敗してもいい」ということや、「失敗したからこそ、こういう学びがあった」と言うことがすごく大事だと思います。