インタビューを終えて
実は、誌面に掲載できない話題もいくつかあった(例えば「次世代の製品は、TSMCの7nmなのか、それとも7nm+なのか」といった問いについては、同氏は返答を控えている)のだが、そうした話とは別に、前回のインタビューでも出てきた「日本メーカーの動きの遅さへの懸念」は今年も繰り返されることになった。その意味ではあまり大きな変化は無く、粛々とビジネスの拡大を図ってきた、というべきかもしれない。
余談ではあるが、2018年度第1四半期の決算において、ついに同社の売り上げの半分以上を28nmプロセス以下を採用したAdvanced Productsが占めることになった。該当するのは7シリーズと20nmのUltraScale FPGA、それと16nmのUltraScale+ MPSoCであり、40nm以前のプロセスを使った6シリーズまではCore Productsと位置づけられている。
2017年度の第1四半期ではCore:Advancedが58%:42%、第4四半期でも51%:49%だったのが、今四半期で42%:58%と、ちょうど一年前の逆になったわけで、迅速に7シリーズ以降へ遷移していることが判る。2018年には本格的にUltraScale+ベースのFPGAも量産出荷開始される(現状16nmに関してはMPSoCのみ量産出荷中)わけで、この比率はさらに差が大きくなることになる。ということは、7nmを使った製品についても、実際に投入されるのが2020年頃であってもそれほど差し支えは無い(EUVを使う7nm+を利用する場合、サンプル出荷はどんなに早くても2019年後半であることが見込まれることから、量産開始は2020年にずれ込むのは必須だろう)という推察は成り立つのだが、確認したものの答えはかわされてしまった。とはいえ、確実に製品の世代交代が行われており、短期的に見れば順調この上ないというのがXilinx自身の動向であり、むしろ懸念はそのXilinxの製品を使う国内メーカーの方にある、という状況はサム・ローガン社長にとっては、よりもどかしいのだと想像される。
適用範囲が拡大を続ける半導体において、何にでも使えるという点から、その象徴にもなる可能性が出てきたFPGA。日本企業がそれを活用して、どう競争力をこれから確保していくのか。来年はこのあたりの動きも含め、もう少し明るい話が聞けることを期待したい。