万城目:僕は、『メタルギア』シリーズは面白いからやれって色々な人に言っているんですが、なかなかみんなやってくれないんです。でも、小説家の綿矢りささんが『メタルギア・ソリッド4・ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』をやってくれて。綿矢さん、仕事でポーランドに行ったらしいんですけど、その感想が「街が『メタルギア』みたいだった」だったんですよ、「特に夜中が!」って(笑)。

――それは取材の賜物ですね。

小島:取材をするのは当然なんですよ。色々な基地に行ったりとか。ただ、そこでテクニックを教えてもらってもダメなんです。一緒にご飯を食べながら、その人達が普段どういうことを考えているのかを聞いたりして、その上でゲームのキャラクターを創っていくんです。ゲーム内では、現実世界を描いているわけではないので、登場するキャラクターも実際に会った人たちとはまったく別の人格をもっているんですが、それでもそういったコミュニケーションをとることでキャラクターに真実味が出てくるんです。ゲームは最終出力が漫画みたいになってしまうので、なるべくキャラクター設定などをしっかり考えないといけないんですよ。そのかわり、キャラクターさえ出来上がってしまえば、後は勝手にキャラクターがしゃべってくれるので、簡単なんですけどね。

――万城目さんもそういったキャラクターの作り方をさせていらっしゃるのでしょうか。

万城目:キャラクターがしゃべりだすってことは一度もないです(笑)。わりと苦しみながらセリフも考えていますね。シナリオは自分の頭のなかにあり、そのシナリオ通りにストーリーを進めていかないといけないので、そうするためにはどうしゃべらせたらいいかを考えてますね。

小島:作品を作るときって、書き下ろしより連載の方がやりやすいですか?

万城目:本当は書き下ろしの方がいいですね。

小島:そうですよね。連載できる人を尊敬します。

万城目:今はやってますけどね。『とっぴんぱらりの風太郎』でも2年間、毎週連載だったので。

映画『偉大なる、しゅららぼん』

日出家の跡取りで、最強の"力"の持ち主とされる淡十郎(濱田岳)と、"力"の修行をするために日出家で居候として暮らしはじめた分家の涼介(岡田将生)。淡十郎は、校長の娘・速水沙月(大野いと)に恋をするも、沙月が思いを寄せていたのは日出家と1300年にわたっていがみ合ってきた永遠のライバル・棗家の跡取り棗広海(渡辺大)だった
(C)2014 映画「偉大なる、しゅららぼん」製作委員会 (C)万城目学/集英社