クラウドサービスゆえのメリット

以上が、Microsoft Online Services が提供する主な機能になる。ここまでご覧になって、業務効率化に貢献するサービスであることを実感していただけたはずだ。もっとも、Exchange、SharePointは、サーバー製品として大企業を中心に広く利用されているので、その効果は折り紙付き。改めて説明されるまでもないという方も多いかもしれない。

このように機能面ではオンプレミス製品をベースに提供されているMicrosoft Online Services だが、中堅・中小企業にとってどのようなメリットがあるのか。続いては、そちらに言及していこう。

Microsoft Online Servicesは、オンプレミスではなく、いわゆるクラウドサービスとして提供しているため、規模の大小に関わらず、さまざまなメリットを享受できるのだ。

「クラウドサービスだからこそ得られるメリットが多くある」と説明する磯貝氏

コストは"経費"の範囲内

1つ目は、初期導入コストが一切不要である点だ。オンプレミスのように百万円単位の資金を用意する必要がない。

料金は月額課金であり、4つのサービスを利用できるセット版で1ユーザーあたり1,044円。これなら、従業員数の少ない中堅・中小企業でも、大きな負担にならない。必要経費として考えられる範囲ではないだろうか。なお、約1年前に発表した当初のMicrosoft Online Services は1ユーザーあたり2,079円という価格だったが、「昨年11月、導入ユーザー数が予想以上に増えたため、利益をユーザー様に還元するかたちで料金体系を改めた」(磯貝氏)そうだ。

また、ブラウザーだけを利用するユーザー向けに機能限定版の「Deskless」というライセンスも用意されている。こちらは、Exchange OnlineはOutlook Web Appsからの使用のみ、SharePoint Onlineは閲覧のみに制限されるが、それぞれ月額209円/ユーザーで利用することができる。

Microsoft Online Servicesの価格体系(1ユーザー当たりの価格)

サービス Standard Deskless
Exchange Online 522円 209円
SharePoint Online 548円 209円
Commnications Online 209円 -
Live Meeting 800円 -
単体合計 1749円 418円
セット版 1044円 313円
※ Live Meetingはオープンバリューライセンスの価格。

短期導入が可能、しかも高信頼性

申し込み後すぐにでも利用できる点も大きな特徴の1つ。サーバを立ち上げるとなると、小規模のものでも構築・検証に数週間程度を要するが、Microsoft Online Services の場合はすでに稼働中のクラウドサービスになるため、アカウントの設定さえできればすぐにでも利用を開始できる。

加えて、サービスに対する信頼性の高さも魅力として挙げられる。先述のとおり、10年以上にわたり提供され、幅広く利用されているサーバー製品をオンラインに持ってきたサービスになる。使い勝手については、管理者向け機能・ユーザー向け機能ともに何度もバージョンアップを重ねて改良を続けてきたものであるため、安心して利用できるはずだ。

特に、中堅・中小企業にとって、管理機能の使いやすさは大きな魅力になる。Microsoft Online Services に含まれるサービスはすべてWebブラウザから管理ができる。ネットワークやリソース利用状況など、アプリケーションよりも下のレベルは意識する必要がないため、総務部所属の担当者でも直感的な操作で管理が行えることがメリットだ。