20cm角サブモジュールの色素増感で変換効率7.6%を達成
フジクラのブースでは、東京理科大学の荒川研究室で開発された5mm角セルで変換効率10.2%(2006年時点。現在は10.7%)の技術と自社の技術を掛け合わせることで開発した20cm角で変換効率7.6%を達成した色素増感太陽電池の展示を行っている。
同社の色素増感太陽電池(DSC)は、酸化チタン(TiO2)粒子で作ったナノレベルの多孔質膜の上に色素を吸着させ、その色素が光を受けて電子を放出する作用を利用して電力を獲得するというもの。
同社では研究室レベルの成果から実用に耐えるだけの耐久性などを施しつつも同効率を達成しているとしており、今後の効率向上のめどもついており、時期を見て次世代のものを出していければとしている。
球状の結晶系太陽電池
京セミのブースでは、同社が長年開発、製造、販売を行ってきた球状太陽電池「Sphelar/スフェラー」の実用提案などが行われている。
同社の球状太陽電池は、Siを融解し、その液を滴下して直径約1.8mmの球状に結晶化させたもので、半導体製造技術の応用として開発されたもの。
受光面が球状であるため、あらゆる方向の光に対して発電が可能であるほか、薄膜や他の結晶系のように面でつなげていくのではなく球をつなげていくため、直列、並列が自由自在に行える。そのため、樹脂の中に入れて曲がる太陽電池を作ったり、ドーム型モジュールを形成するといった使い方も可能である。
1個からの活用が可能で、その場合は日射量の調査のためのセンサ代わりの活用などに用いられるという。当然、複数のセルをつなげれば大電圧、電流を得ることが可能であり、システムの要件に応じて必要なだけセルを直並列でつなげるだけでそれを実現できるほか、直並列のメッシュ接続のため、一般的な結晶系太陽電池モジュールなどで生じる部分日陰による出力低下の問題などをある程度抑えることができるという。
現在は、小電力シリーズとして、小型機器などへの展開を図っているが、屋根以外の窓などの建材や独立電源などにも進出していければとの期待を覗かせていた。